歩くと痛い足首の痛みの原因と症状からの傷病予想
足首の関節の特長について
足首周辺の痛みは、
捻挫という明確な原因が有るものを除いては、
原因追求が困難なことが少なく有りません。
足首の関節は、
足先から伝わった力の方向を
大きく変化させることが出来る最初の関節です。
また、立位での身体の移動に対し
具体的な出力を出せる重要な関節の一つでもあります。
加えて、体重や運動力の影響で生まれる地面からの反発力に
最も最初に対応することの多い関節でもあります。
それ故に、痛みの原因を特定しづらく、
あえて予想していくならば、
痛む場所による解剖学的、
運動力学的な見地からの予想
ということが最良であると思われます。
足首の内側が痛む症状についての原因追求
まず、足首の内側付近に出る痛みですが、
捻挫を除けば、内くるぶし(内踝)のやや指先側に出る痛みが多いです。
ここには舟状骨という骨が有り、
そこに前脛骨筋というスネの前に着いている筋肉の端が着いています。
人によって、この場所に、
舟状骨から遊離した外脛骨という丸い骨が有り、
そこで炎症を起こします。(有痛性外脛骨症)
この炎症の原因は、
膝の向きと足先の向きの不一致が有る動作を
何度も行ったことによる事が多いです。
膝に対して足先が外を向きすぎると
足首から下の部分が内側の土踏まずを潰すような方向に捻れます。
(回内と外転)
この時、前脛骨筋の腱(筋肉の端)は、
外脛骨、または、付着部付近の舟状骨の突起に摩擦して傷付きます。
その結果、同部に炎症を起こすのが痛みの原因であり、
腫れや発赤(赤くなる) を伴う事が多いです。
押した時の痛みの場所も比較的限定的で明確です。
足首の外側が痛む症状についての原因追求
次に外側に出る痛みですが、
捻挫、もしくは、捻挫の後遺症以外では、
腓骨筋の腱で炎症を招くものがあり、
外くるぶしの下で痛みを感じます。
歩く動作や走る動作で
足先が内に向いていたりすると起こると予想されます。
但し、同様のケースに置いては、
腓骨筋の腱への負担よりも
膝や下腿部への負担(水平方向の捻れ)の方が大きく、
余程極端な足先の内向きが動作に含まれていない限り
起こらない痛みだと思われます。
足首前面の痛みは、ほとんどが、かつての捻挫の後遺症と考えられます。
希には、過去に捻挫経験が一切無く痛みを訴えられる方もおられます。
足首の関節の前面付近の痛みについて
日常動作や歩行動作で
足首前面に
引きちぎれる、
圧迫される、
前後にずれる
といった力が強く働きそうなシーンは想像し辛く、
余程特異な動作をしていない限り、私には説明がつきません。
ただし、急性の外傷、即ち、捻挫や骨折、もしくは、その後遺症であれば、
足首前面に痛みが出ることも珍しくはありません。
アキレス腱周辺の痛みに代表される足首後方の痛みについて
足首の後方に出る痛みの殆どがアキレス腱周辺です。
カカトの痛みは、別の機会に解説します。
アキレス腱周辺の痛みは、
本当にアキレス腱由来の痛みである時と
長拇趾屈筋の炎症である場合とが有ります。
アキレス腱由来の痛みは、
アキレス腱を真上から押すと明確な痛みが有ります。
長拇趾屈筋の炎症は、
アキレス腱の両サイドから指で奥方を押すと痛みが出ることが特徴です。
ただし、発症原因が似ている事から、
両方とも併発状態に有ることも少なく有りません。
アキレス腱の痛みに関しては、
膝から下の痛みの項目をご覧ください。
長拇趾屈筋の炎症は、
足の親趾に体重の多くを支えさせる
動作シーンが含まれる動作を繰り返すと起こります。
まとめとして
以上のように、足首の痛みは動作不備との関連が深いものが殆どであり、
根本的解決には原因動作の修正が不可欠です。
スポーツ以外で足首周辺の痛みが出たケースに置いては、
歩く動作の修正が有効であることが多いと考えております。
足首の痛みについても下間整骨院にお気軽に御相談ください。