階段を降りると膝が痛い理由・階段を登ると膝が痛い理由
階段を登る時や階段を降りる時に
膝が痛いと感じる症状は、
膝の痛みを持っておられる人達の
殆どに当てはまることかと思います。
その中でも特に、
階段を降りる動作が痛い人は、
とても多いのでは無いかと思います。
今回は、膝の変形からくる痛みについて、
特に、階段を降りる時の痛みと
登る時の痛みについての原因について、
お話をさせて頂きます。
膝の変形による障害
膝の変形が進むと、
膝の関節の中にある
半月板という軟骨組織や
翼状ヒダ、滑膜ヒダなどの組織が傷付きます。
膝の変形に伴う関節内の組織の傷の中でも
半月板の傷は治り辛く、
発生率も少なくありません。
そこで、ここでは、
膝の変形に伴う半月板へのダメージと
膝関節を使う動作への影響を中心にして
解説していきます。
半月板の傷が
原因である痛みの特長
本来、半月板には、
痛みを伝える神経はありません。
身体の環境を維持する脳の働き
と半月板の痛み
膝の関節の中の組織が傷付いて
炎症を起こすと
運動機能を管理している脳は、
無意識の内に半月板や関節内の組織が
傷付きそうな力に警戒を示すようになります。
例え、半月板や関節内の組織が
傷付いていなくても、
炎症と血流障害があったり、
関節の軟骨の擦り減り(変形)が大きいだけで
脳の警戒は起こりやすくなります。
この無意識領域の脳の警戒は、
ある程度の範囲までは、
動きの中での筋肉の筋力量にのみ
現されます。
そして、その状況は、
意識では感じにくい傾向があります。
運動機能を管理している脳の領域が
膝関節周辺の運動環境に対して、
人の意識に感じ取れるまでに
警戒を強めた状況が
『膝が痛い』という状態です。
つまり、膝に限らず、
多くの関節の変形による痛みの原因は、
関節を壊しかねないような力や
そのように感じ取っている
脳の印象と警戒の現れなのです。
高所での身体変化を例に挙げた解説
少し本文の内容が難しいでしょうか?
例えて言うなら、
半月板の傷や膝関節への負担に伴う痛みとは、
高いところに立った時の”足のすくみ”
のような動きへの拒絶反応です。
高所での足のすくみは、
経験(高所は危険)を素にした、
動くことへの制限が
脳によって無意識の内に作られた状態です。
もちろん、
『恐い』という意識も関わっていますが、
この恐いという感情が無い場合でも、
無意識の反応として、
高所では身体中の筋肉が
普段よりも硬くなっています。
立っている場所の安定性や面積を
視覚や平衡感覚、力学感覚から感じ取り、
その”行為・環境への慣れ”に影響されつつ
筋肉の緊張割合が
運動管理をしている脳の領域によって
無意識に決められています。
これは、
今現在の状況からくる
運動性能への無意識下での調整の結果です。
痛みという感覚は、
現状からの感覚性能への調整としての
脳の警戒の現れであり、
高所での足のすくみは、動作性能への調整
としての脳の警戒の現れです。
感覚と動作という
脳による調整形式の違いはありますが、
このように、
私達の意識とは関係のなく
脳は身体を守ろうとしています。
そして、そこには個人差もあります。
階段の登り降りの痛みを
脳の働きから科学する
ここから本題に戻ります。
階段を登る時の膝のつらい痛みや
階段を降りる時の鋭い痛みは、
脳が、階段を登る時や降りる時の
膝に加わる力を嫌がっている、
もしくは、
登る動作や降りる動作を警戒している
現れなのです。
そして、
高所への恐怖心や足のすくみに対しては、
“高所自体の条件“と”個人的な感覚差”
が有るように
膝の階段上り下りにも
“膝自体の条件“と
“痛みを感じる側の個人差“があります。
痛みを誘発する膝自体の条件
膝自体の条件として、
最もはっきりしている要因は、
現状の炎症や組織の傷の大きさです。
痛みを感じる側(脳)の意識的な要素以外の条件
意識される要素・要因を除いた
痛みを感じる側の条件には、
登ったり、降りたりする時の
動作の効率性が大きく関係しています。
その要素は2つに分けることができます。
動作の完成度と痛みとの関係
一つは、動作の全体像としての完成度です。
動作全体としての完成度は、
身体の構造に合った動き方や
動きの中の倒れない為のバランスの良し悪し
によって左右されます。
筋肉の働き内容と痛みとの関係
もう一つは、
膝の関節を跨いで配置されている
特定の姿勢や動きの中での
筋肉の働き内容です。
特定の姿勢や
動きの中での筋肉の働き具合は、
人の活動の中の色々な要素の影響を受けます。
例えば、疲労です。
疲れると筋肉の働きは、
必要以上に高まり(硬くなり)、
高まり過ぎた筋肉の働きにより、
動作の滑らかさは失われます。
そして、
もっと極端な疲労状態においては、
筋肉は十分に働かなくなり、
動作自体が成立しなくなります。
このような筋肉の働きの異常は、
実際の疲労が起きていなくても
頻繁に起こっています。
例えば、
先ほどから例に挙げている、
高所での行動です。
また、
痛みが有るという事実も筋肉の過ぎた緊張、
もしくは、
筋力の低下を所々で招いてしまいます。
一度組織を傷付ければ、
それ以後は、
傷付きそうな力が加わるだけでも、
筋肉は過ぎた緊張(過緊張)を示す
傾向があります。
筋肉の過度な緊張は、
身体条件や脳の印象次第で
痛みの誘発因子となることもあります。
膝の関節に感じる痛みの実態
これまでに説明させて頂いた複数の要因が
階段を登ったり、降りたりする動作の中で
重なることで膝の痛みは出ています。
痛みの要因が複数であるため、
複数の要因の中の何が
階段の登り降りの時の膝の痛みに
最も強い影響を与えているのかが
正確には解り辛い傾向があります。
ただし、
予想することは可能です。
予想が合っているかどうかは、
予想した要因への正当な対策によ
痛みという感覚の強弱で確認できます。
下間整骨院の治療と
その治療を行うにあたっての考え方は、
膝の痛みに限らず、
常にこのように、
痛みの実態を科学することで
成り立っています。
痛みについての御相談は、
下間整骨院にお気軽にどうぞ。
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