腰痛や膝の痛みなどで痛む場所が変わる理由は、

私の日常の治療活動の中でよく伺う
『痛む場所が変わるのはどうしてでしょう?』
という患者さんの素朴な疑問に対して、
私がいつもお答えする内容を
今回のブログでは書いていきます。

痛みの種類

痛みには、その原因から

・傷付いた瞬間の痛み

神経の末端が傷ついたり、
特定の種類の刺激を受けた時の痛み

炎症による痛み

発痛物質が神経末端を刺激して出る痛み

・中枢神経(脳)の印象による痛み

慢性化した痛み(慢性疼痛・中枢性疼痛)

・末梢神経の働き異常による痛み

神経痛や神経障害性疼痛

このような痛みの中でも
中枢神経の印象による痛みが
今回のブログテーマに
関連性が深い種類の痛みです。

慢性疼痛(中枢性疼痛)
の創られ方

中枢神経(脳)は、
身体から伝えられる情報を素にして
意識の中に色々な感覚創り出しています。

痛いという感覚も例外では有りません。

身体からの情報を素に、
脳が痛いという感覚を
意識の中に創り出しています。

ただし、
『痛い』という感覚は、
視覚や聴覚など、その他の感覚よりも
脳においての感覚への修飾
が起こりやすい感覚です。

そして、
痛覚は、
身体に何らかの異常が無い時には現れない、
普段は感じない感覚でもあります。

痛いという感覚は、傷付いた瞬間や
傷付きそうな刺激が加わった時
以外では感じない感覚です。

私達の脳による痛み感覚を創る行程には、
脳自体の判断による修飾
無意識の内に付け加えられています。

その判断が痛みの大きさや範囲、
現れる場所に影響を与えています。

その影響力は、
痛みの直接的な情報となる炎症
凌ぐ事すらあります。

余談ですが、
スポーツ障害の治療として、
痛みの原因となる動作の修正を私が行うと
患部に腫れがあっても(炎症があっても)
痛みをあまり感じなくなる事も
珍しいことでは有りません。

痛みという感覚の役割

痛みという感覚は、
身体を守るための感覚です。

人や動物の意志は強く、
目的を達成するための意欲は、
容易には抑えられません。

ましてや、
人の好みに関わる欲は、
それが達成されるまで、
そこに向かう追求心は、
抑え難い傾向があります。

その追求心も
自分自身の環境(身体条件や社会条件)を
無視したもにであれば、いずれは、
個人の身体や環境の崩壊に繋がります。

行動(動くという事)に
身体条件を無視した追求心が発生した時、
その追求心に抑制をかけられる感覚、
それが『痛い』という感覚なのです。

他の動物と比べ、
多様で強い欲望を持つ人という生き物は、
その欲望の暴走から自分自身を守るために
痛みという感覚も強く感じるような能力を
獲得したのだと考えられます。

痛みとは、正に、
人が脳を発達させる過程で獲得した
自己防衛能力なのです!

痛みを意識の中に創り上げる脳の特性

脳は、不合理な意志を止めるために
痛みを創り出しています。

その痛みの材料は、
痛みが慢性化しているほど、
身体に加わる力という要素への
脳内での扱い方の変化
(痛みへの変換)が起こっています。

痛み感覚への脳内での修飾の多くは、
身体(患部)への負担という力学的条件を
織り交ぜることで成り立っています。

逆に言えば、
患部への負担を姿勢や動きから取り除けば、
脳は痛みという感覚に修飾を加えることが
できなくなります。

そうなれば、
痛み感覚は、炎症などの
直接的な痛み信号の量に左右された
痛みの感覚となります。

そうなれば、
炎症さえ無くせば、もしくは、
許容範囲とすることが出来れば、
痛いという感覚は消えます。

炎症を鎮静化させていくことは、
私の施術なら多くの例で簡単にできます。

それに合わせて、
痛みの場所が変わる事もよくあります。

例えば、
膝の内側だった痛みが、
翌日は膝の前が痛くなるなどの変化です。

痛む位置の変移は、
慢性化した痛みであれば、珍しく有りません。

本来、多くの慢性疼痛は、
患部の炎症という要因よりも
脳での痛みへの修飾作用の方が
大きく関わっています。

痛む場所は、
前回のブログで説明済みのように、
痛む場所への力学的条件(脳が好まない負担)
によって決められています。

私の治療や患者さんの生活環境によって、
痛む場所への力学的条件(負担)が変われば、
その状況を受け止める側の
脳の痛覚形成のための判断基準も変化し、
痛む場所が変移しても
何ら不思議な事では有りません。

ましてや、
私の施術は、脳に受け止められる
“人の動きに伴う力学的条件を改善する
(患部への負担取り除く)”ことができる
特殊な運動療法です。

ですから、
今まで痛みのあった場所に、施術直後に
痛みが無くなる事は珍しくは有りません。

ですが、
全ての人の動きや痛みの素を
初回の施術で取り除ける訳では有りません。

いわゆる、未改善の要素も残っています。

その未改善の要素の中に、
最初に痛みがあった場所と違う場所に
炎症や何らかの負担があるという
脳のイメージが残っていれば、
次にその場所に脳が痛みという感覚を創り、
本人に未だに正常ではない要素が
有ることを認識させているのです。

また、
膝が治れば腰が痛くなるというように、
患部の位置が離れた部位に
痛む場所の変移が起こる事も有ります。

このような現象関しては、
今回説明した事に加えて、
一カ所の痛みが消えた事による変化や
脳の痛みの感じ方(認識・意識)の特性が
関係している現象です。

その点については、
次回ブログでお伝えしていきます。

慢性化した痛み治療は、
下間整骨院にお任せください。

フォロー宜しくお願いします


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