股関節の変形が起こる理由の簡単な解説 その2
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前回のブログの続編です。
転ばない為の股関節の動きの調整と関節への負担との関係
股関節は、転ばないための動きの調整に大きく関わっている関節です。
立っている動作や姿勢の時には、股関節と膝関節の角度次第で足全体の地面に対する角度が決まります。
特に横に開く方向の股関節の角度は、立った状態の安定性に強く関わっています。
ですから、転ばないための調整として、片足立になるようなシーンでは、股関節の横方向の動きは殆ど出ないように筋肉の働きで調整されています。
この調整は、年を取るほど、行きすぎた調整となっていることが多い傾向にあり、股関節に問題があると更にその傾向はめいかくになります。
その行きすぎた調整の結果、関節面への圧力(負担)は大きくなり、関節軟骨を擦り減らす量を増やしていることがよくあります。
股関節が脱臼しそうに感じる印象とそこへの対策と関節変形との関連性
人の立った状態での動きは、常に倒れそうになっています。
そのことは、普段、意識されることはありません。
なぜなら、無意識のコントロールで倒れることを防いでいるからです。
ですが、倒れ無いようにする運動調整・姿勢調整は、実はとても大変な作業なのです。
身体の前後に倒れようとする動きの修正は、膝や足首、背骨などの動き(に関わる筋肉の働き)で調整されています。
身体の左右に倒れようとする動きの修正は、主に股関節の動き(に関わる筋肉の働き)で修正されています。
因みに腕は、腕自体が何かの仕事をしていなければ、前後左右どの方向に倒れそうになっても、バランス修正に参加した動きをしています。
人が最も多く行う動作は、歩行です。
歩く時の前後の倒れそうな力の影響は、気付かない内に足首や膝、背骨(に配置された筋肉の働き)で調整されています。
そして、横方向、特にどちらかの足を浮かせて片足立ちになる瞬間は、股関節周辺の筋肉が、歩行という動きを作るのと同時に側方に倒れる力を調整しています。
年齢を重ねると、または、股関節の骨盤側の受け皿(臼蓋)が小さいと股関節で行われる倒れるのを防ぐ調整が上手く出来にくくなります。
上手く出来ていないような運動状態は、感覚神経を通じて脳に伝わります。
脳は、その情報に股関節が外れるのではないか?(実際には、まず脱臼しません)
転ぶのではないか?といった判断をするときがあります。
普通の人でも氷の上を歩くとそのようになります。
脳が身体の安定性に不安を感じると、それが意識の上であっても、または、無意識であっても、筋肉の緊張度合いは高まります。
立った状態では、特に股関節周辺の筋肉にそのような状況は現れやすくなっています。
これは、身体を立たせておくのに股関節でのバランス修正が、脳とって、とても大変な作業であるからです。
それが大変な作業である理由は、股関節の動き幅の大きさと動く方向の多さにあります。
ですから、股関節周辺の筋肉の働き内容を調整して、最初から動き幅を狭めておけば、運動管理という働きの中での倒れないため(バランス修正)の調整要素は少なくて済みます。
ですが、それと引き換えに動きの柔軟さや関節の滑らかな動きは劣化します。
氷上での動作のように自覚できるほどの調整であれば、その滑らかさを欠いた動作への対策の必要性を自覚できるのですが、年齢から来る少しずつの変化は、痛みという感覚が出ない限り自覚出来にくいものです。
そして、股関節は、他の関節に比べて痛みが出にくい傾向があります。
ですから、痛みを感じ、レントゲン撮影をした結果、股関節の変形が見つかるということも珍しくはありません。
ただ、その変形は、痛みが本格化する以前から脳の動作への調整として起きている筋肉の働き内容の変化が続く事で作り上げられて来たのです。
痛みを色々な方法で抑えたとしても結果的に手術になることが多い理由の一つが、今回のブログに書かせて頂いたような脳の判断に基づく気付かない(無意識の)関節運動制限を解消させる為の手段がこの国では確立していないからです。
股関節の変形に関する御相談も奈良県香芝市の下間整骨院にお気軽にどうぞ。
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