椅子に座った時の身体への負担を減らす工夫
椅子に座った時の身体への負担を減らす工夫
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前回のブログの続編です。
今回は、座るという行為の中でも椅子に座るということに焦点を当てて解説していきます。
最も理想的な椅子
椅子に座るというだけで、真っすぐに立った姿勢よりも2倍から条件次第で4倍程度の負担が掛かるというお話を前回のブログでさせて頂きました。
しかし、椅子に座ることを余儀なくされる仕事もあり、また、腰への負担を配慮して一日中立っているという訳にも行きません。
もちろん、一日中、寝ている訳にも行きません。
ですから、椅子に座るということを前提として、どの様な椅子が、最も腰への負担が少ないのかを考えることが現実的です。
理想的な椅子の高さ
私が、人の構造と簡単な物理学の知識で考える最も負担の少ない椅子の高さは、以下の条件に当てはまる高さの椅子です。
- 地面に足の裏全体がしっかりと着く。
- 足首から膝にかけての下腿部が地面から垂直に立っている。
- 膝の曲がり角度が90度(直角)前後になっている。
- 股関節の曲がり角度が90度前後になっている。
ただし、椅子に座っての作業や背もたれの有無等の条件によっても腰への負担は変わってきます。
適正な椅子とは?
腰への負担を減らすという点から考えての最も適正が高い椅子の条件とはどのようなものでしょうか?
実は、最も適正が高い椅子の条件には、個人の条件や椅子に座る条件(くつろぎ、仕事、運転など)によっての差があります。
背もたれにもたれ掛かる座位に合う椅子
背もたれにもたれ掛かる座位では、先ほどの基本的な適正の高い高さよりも少し低い方が腰椎への負担増加は抑えられます。
背もたれにもたれ掛かると身体全体としては、斜めに下方向に滑ろうとします。
その方向に合わせた踏ん張りがある方が腰への負担増加は抑えられます。
ですから、椅子の高さは、もたれ掛かる角度に合わせる必要があり、原則としては、もたれ掛かる角度が大きいほど、椅子は低い方が身体の滑りを受け止め易いはずです。
座っての手作業に向いた椅子
座った姿勢でパソコンなどの手作業をする場合、上半身の前のめりと腕の重さによる前下方向に倒れようとする力を腰や背中の筋肉が引っ張る事で一定の姿勢を維持しています。
この腰や背中の姿勢維持の為の筋力発揮は、その筋肉が跨いでいる関節への圧力となります。
その圧力を椅子の条件で減らすには、基本的な負担が少ない椅子の高さより、少しだけ高い椅子が適しています。
お尻の位置が上がると、先ほど説明した上半身の前のめりがお尻の位置を含む事になるため膝を伸ばす様な力が加わる前のめりという要素が加わってきます。
言葉でこの身体の傾き傾向を伝えるのは、難しいので例を挙げると、短距離の時のクラウチングスタートの時の様な力学的作用が取り込まれた座位になると御想像ください。
このような力学的条件が加われば、前下方行にへの傾きに対抗して姿勢を維持する力は、腰や背中の筋肉だけで無く、脚の筋肉にも分散することができる為、腰の関節への筋肉による圧力は減少します。
ただし、この座位姿勢は、脚の疲労が大きくなります。
車の運転に適した椅子
車の運転は、座席下にクッションなどを敷き、座っての手作業に近い座位を作ると比較的腰への負担の増加を抑えることが出来ます。
また、ハンドルを上手く利用すれば、更に腰への負担を抑える事が出来ます。
具体的には、腕を介して上半身の体重をハンドルに乗せて預けるか、
逆にハンドルを持ってぶら下がる様な上半身の預け方をすると良いと思われますが、後者のぶら下がる姿勢は、運転する上では、咄嗟の危険回避等に支障を来すと思われますのでお勧め出来ません。
適正な椅子に座っても尚、気をつけること
椅子が使用環境に適正なものであっても、腰への負担が無いわけではありません。
また、座位という姿勢をとる場合、痛みと身体に加わる力との関連特性である「静的荷重としての同一姿勢が長く続けば痛みを誘発し易い」ということも考慮する必要あります。
どんなに楽に感じる姿勢でも15分程度を目安に少しだけでも姿勢を変えるように心掛けてください。
今回は、椅子という自分以外の要素についての腰への負担減らす工夫の解説でしたが、次回は、天秤のバランスと腰への負担の関係という自分自身の姿勢の在り方について書かせて頂きます。
そちらも是非ともお読みくださり、参考にして頂ければと思います。
日常姿勢の痛みも下間整骨院に御相談ください。
私のブログは、全て私自身の知識と経験で書いています。
他からの転用では有りませんし、非科学的な独りよがり論でもないと自負しております。
ですから、動きや姿勢といった運動機能に関わる痛みのことであれば、どんな事に対しても私自身の意見でお答えすることが出来ます。
どんな事でもお気軽に御相談ください。
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