年齢と共に関節の動きが硬くなったり、関節炎になりやすかったり、関節変形が起こる理由
前回のブログでは、
臼蓋形成不全と変形性股関節症
の関連性を例に挙げて、
動作中の必要以上に強い筋力
という問題点から説明させて頂きました。
その中の
年を取ると不必要な筋力が現される
量や範囲が増える
ということへの詳細な説明が
今回のブログテーマです。
人の動きは、
筋肉の働きによって作り出されています。
複数の筋肉の働きを
その瞬間の状況と
歩くなどの行動目的に合わせて
管理調整することは、その役割を担う
神経組織にとっては、相当な作業量です。
その中心的な役割を果たしているのが
脊髄や脳の無意識の領域です。
この運動への管理調整は、
コンピュータの情報処理に酷似しています。
作業量が同一期間に膨大になればなるほど、
作業能力が衰えるという傾向も
人の脳とコンピュータは似ています。
また、古いパソコンほど、
作業能力が落ちるという現象も
人が年齢を重ねると
脳の回転(作業能力)が落ちる
という現象に似ています。
パソコンでの作業の多くは、
多少の情報処理速度の低下であれば、
実質的作業においては許容できます。
しかし、
人の脳が、運動中の情報処理に遅れると
動作の不成立や転倒、怪我の原因となります。
そこで、
脳は自らの処理速度では、
処理しづらい運動状態を
抑えるためのブレーキとして、
もしくは、
適切な対応ができない現れとして、
筋肉の働き内容を筋力上昇方向に
調整するのです。(強張り)
そうすることで関節の動き幅を狭めたり、
関節運動速度を落としたりしています。
その結果、
脳自らが行う情報処理量を減らします。
この状況が
意識で感じられるようになった状態が、
関節が硬くなったり、
筋肉の伸びが悪くなったという現象です。
このような状況下で動続けていると、
動くための筋力と
動きを抑制するための筋力との
適切な量の調和が乱れます。
結果的に、動きの中で、
必要以上に大きな関節面への接合圧力や
目的動作方向とは違った方向の力が
大きくなります。
このような力が
関節軟骨の摩耗や関節組織を壊す力となっています。
それが関節に炎症を起こし、
その炎症が更なる関節変形を促します。
このような関節炎や関節変形を
改善・予防することが私の役割です。
私の考案したASC他動的運動療法は、
動きの中に現されている必要以上の筋力を
意図的に取り除くことができます。
その最も大切な要素は、
他動的運動療法を行う上での
術者の手の感覚と観察力です。
この技能無しに、
意図的に運動中の不必要に増えた筋力量を
正常化することはできません。
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