坐骨神経痛に運動は有効か?運動による坐骨神経痛の悪化と改善の違い
坐骨神経痛に運動は有効か?運動による坐骨神経痛の悪化と改善の違い
坐骨神経痛は、坐骨神経の働きの異常を現す感覚です。
坐骨神経は、複数の神経組織(線維)の集まりで出来ています。
複数の神経線維の集まりである坐骨神経の”全体としての活動量”の変化を
動作感覚を創る脳の領域が異常事態だと判断して意識の中に創り出された感覚が坐骨神経痛です。
坐骨神経痛として痛む場所の多くは、坐骨神経が配置されている筋肉です。
その痛みは、立位体前屈のような坐骨神経を引き伸ばすような動きに呼応して強くなる傾向にあります。
運動することによる坐骨神経痛への影響
運動することで、坐骨神経痛という感覚の強弱に与える影響の殆どが脳による運動評価のしての現れなのです。
(運動の質への良し悪し・運動許容)
脳の運動感覚を創るための作業行程は、全身に配置された感覚神経から伝えられる情報がその指標として利用されています。
感覚神経からの情報(信号)の中に”普段とは違う坐骨神経活動”があった場合、
その内容を脳が異常だと判断すると坐骨神経痛という感覚が創りだされます。
運動中の坐骨神経活動の変化は、
炎症や
椎間板ヘルニアによる神経圧迫、
腰椎周辺、及び、股関節周辺の筋肉の活動内容の不備(主に過緊張)などによって起こります。
運動感覚を創る脳が正常(通常)とは違う坐骨神経活動を感じ取ると
坐骨神経痛という感覚を意識の中に創りだします。
脳が神経痛という感覚を創る時、
神経線維の集まりである坐骨神経の中で、
どの神経の活動内容が正常ではないのかを分析します。
その脳の分析によって判明する(坐骨神経内の)活動異常を起こしている神経線維の検出結果が
実際に患者さんが痛みを感じる場所として反映されています。
(どこに配置されている神経からの感覚神経情報が異常かで痛む場所が痛覚としてイメージされている)
坐骨神経痛が出ている時の坐骨神経の働きは、
坐骨神経周辺での炎症や神経線維の圧迫などの影響で、本来の状態ではなくなっています。
そのような状況下では、
坐骨神経が直接関わっている筋肉の動き(活動・筋収縮・運動)に伴って、
通常ではない坐骨神経信号が脳に伝えられます。
そうなれば、正常な状態から変化した坐骨神経信号(運動情報)に対する
脳による評価次第で坐骨神経痛が創り出されたり、運動によって増減したりします。
通常、多くの慢性化した痛みの増減は、
現在の患部状況が生命維持や身体保護に適しているかどうかによって影響を受けます。
つまり、現在の状況は、患部への危険度が多いのか少ないのかという要素に
痛みの度合いが左右される傾向にあるということです。
例えば、運動という行為の中で
(椎間板ヘルニアなどの影響で)正常とは違う坐骨神経信号が伝えられている場合、
その時の通常とは違う坐骨神経信号が分析されて、痛みという感覚を創るかどうかの判断がなされています。
そこには、脳での現状の運動条件(坐骨神経を中心とした感覚神経からの信号)を参考にしての
患部への危険度が推し量られていると考えられます。
極端な話をすれば、異常な信号を伝えている一部の神経組織以外の神経組織の正常な信号内容が、
総合的に”身体への危険度が少ない動作である”と脳が判断するようなものであれば、
正常ではない坐骨神経信号(活動)が運動行為に供なって伝えられたとしても、
その内容が現在の通常状態として許容されることが多々あります。(学習・環境適応・運動許容)
一部の正常ではない坐骨神経信号が伝わっている状況であっても、
運動条件次第で脳がその内容を許容すれば、
つまり、それほど異常ではないと脳が判断すれば、
運動することによって坐骨神経痛は緩和されます。
逆に、運動行為をその時の運動条件(感覚神経情報)から、身体への”危険性が高い”と脳が判断すれば、
筋肉の過緊張が亢進するなどして、更なる感覚神経活動の異常性を増やし、
結果として痛みは憎悪します。
この時、運動行為による組織損傷から導かれた炎症という条件が、
痛み感覚の形成過程や筋肉の緊張状態に強く反映されれば、
坐骨神経痛は動けないほどの強さになることも珍しくはありません。
また、例え運動強度の弱い運動であっても、
その種類や運動時間、そして、脳の運動への過敏性などの影響で
坐骨神経痛が強くなることもあります。
しかも、そのような場合の坐骨神経痛の憎悪は、
運動中に起こるだけでは無く、運動終了後や
翌日に起こることも珍しくありません。
そうなれば、坐骨神経痛の憎悪原因を発見し辛く、
対応が遅れることで運動行為自体が坐骨神経痛を慢性化させる要因となってしまいます。
それでは、いったいどのような運動条件が坐骨神経痛を緩和させやすいのか?
逆にどのような運動条件が坐骨神経痛憎悪させやすいのか?
この点については、次回のブログで書かせて頂きます。
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