原因不明の強い疼きを伴う腕が上がらない肩関節の痛みについて
強い疼きを伴う腕が上がらない肩関節の痛みについて
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原因がはっきりせずに肩に強い疼きを感じて、腕が上がらない状態になる病態は、結晶誘発性関節炎、もしくは、癒着性肩関節周囲炎のどちらかである可能性が高く、双方には、それぞれの病理学的特長があり、それぞれに合った対応があります。
その対応を間違えてしまうことのないように、ここにその症状の特長を記しておきます。
ちなみに、整形外科での診断がいずれの場合も最優先ですが、中には、整形外科でも双方の病状を混同していまう例も有るようです。
対応の違いは経過を大きく左右します。
ですから、その特長を御自身でもある程度知り、的確にその要点を医師に伝えることが重要です。
そのための知識として御利用頂ければ幸いです。
結晶誘発性肩関節周囲炎と癒着性肩関節周囲炎との相違点
まず、その痛みの経過ですが、結晶誘発性の場合、急激に強い痛みに見舞われることがほとんどです。
対して、癒着性肩関節周囲炎の場合、その経過は、月単位のような比較的緩やかな変化の下で徐々に疼きが現れます。
その後、個人差は有るものの、疼きで眠れなくなったり、肩関節がほぼ動かないほどの強張り症状を現して来ることがよくあります。
肩関節の動きと痛み方との特長として、結晶誘発性肩関節周囲炎は、強い痛みと伴に急激に動かすことができる範囲が全方向に渡って制限されます。
しかし、本人以外の者が非常にゆっくりと徐々に動かせば、痛みは有るもののある程度の動きが可能な例も少なくありません。
逆に癒着性肩関節周囲炎では、動きの制限は、本人が動かすことができる範囲も他者が動かすことができる範囲もほぼ差がありません。
痛むことへの恐怖から他者が動かす方が稼動域が狭くなることもあります。
また、動きの制限も全方向に同じように現れるのではなく、より動き辛い方向がある傾向が強くあります。
そして、痛み止めの注射が非常に効果的なのが結晶誘発性関節炎の方であり、癒着性肩関節周囲炎よりもはるかに効果的です。
尚、四十肩や五十肩と称される中高年期以降の肩の痛みは、これらの病態のいずれかである場合が多く、その改善策として巷でよく言われている『痛くても動かした方が良い』を実践すれば、結晶誘発性肩関節周囲炎であった場合、激痛になる可能性が非常に高いと考えられます。
因みに、癒着性であった場合でも、どの経過で、どのように動かすかでそれ以後の経過は大きく左右されます。(詳しくはコチラ)
整形外科でのレントゲン検査で、石灰(シュウ酸カルシウム)の粒が肩関節周囲に写るのが結晶誘発性肩関節周囲炎です。
癒着性肩関節周囲炎では、殆どの場合、レントゲン検査での明確な異常は診られません。
以上、2種類の肩の疼きの原因となる病態の特長を挙げてみました。
これら以外にも疼きを現す病態は、腱板損傷や関節唇損傷、骨折などの怪我や頚椎椎間板ヘルニアによる神経痛、癌の骨転移、関節リュウマチ、心疾患など多数あります。
いずれの場合も、疼くという炎症を現す症状がある場合、まずは整形外科を受診して病状特定をお願いすべきです。
私にとっての仕事は、診断が下った後だと考えています。
もし、骨異常がなく、手術対象ではない病態であれば、下間整骨院に御相談ください。
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