動いていたら痛みが消えた|運動(情報)が痛みを和らげる理由

運動情報が痛みを和らげる理由

運動をしている間に、
または、動き出したら、
いつの間にか痛みが消えていた。

このような出来事は、
そんなに珍しい現象では無いと思います。

では、何故、
運動や動き出すことが
痛みの緩和に繋がるのでしょうか?

今回のブログテーマは、
動きや運動することがもたらす
鎮痛効果の理由についてです。

動きに関わる痛みの病理

動くと痛む理由について、
まずは簡単に説明していきます。

痛みという感覚の役割

痛いという感覚を
現実的役割という面から評価するならば、
身体に起きている異常を認識し、
その異常への対策を講じる必要性を
本人に自覚させるための感覚といえます。

動きの中で認識できる痛みは、
動きのなかの異常を自覚させ、
そこへの対応を促すために
創り出されている感覚です。

これらの作業は、
人の運動機能を管理している
無意識領域の脳が行っています。

運動管理役の脳が創り出す痛みの原理

運動管理を担う脳の領域は、
身体から入ってくる身体状況の報告を基に、
全身の筋肉にどのような働きをさせるかを
無意識の内に決めています。

その基準は、
耳の奥にある目からの視覚情報や
平衡感覚器官からの傾き状況、
関節や筋肉に加わった力の情報などです。

このような
動きの調整基準となる情報は、
脳によって過去の経験を基に
その出来映えが評価され、
必要に応じて修正が加えられています。

通常、慣れた動きにおいては、
脳の動きへの管理・調整は、
殆ど無意識に行われています。

動いた時の痛みは、
この無意識の調整や動きの中の
問題点への修正が上手くいっていない状態
を現している感覚だとお考えください。

人の動きの中にある
痛みを和らげる要素

動く事によって、もしくは、
ある種の運動によって、
動きに伴う痛みが和らぐ要素は、
患部での要因と
痛みという感覚を意識の中に作り上げる行程
との2種類があります。

動く事で痛みが和らぐ理由
としての患部での要因

痛みという感覚が現される患部での要因
としては、
組織が傷く事とそれをきっかけに起こる
炎症血流障害が一般的です。

動く事で痛みが緩和される
と考えられる患部に起こる1番の変化は、
血液、及び、組織液、リンパ液などの
体液循環の促進(血流障害の改善)です。

液体成分の良好な循環は、
炎症によって作り出される
痛み物質を洗い流してくれます。

そうすれば、
自ずと炎症による痛みは、
感じにくくなります。

ただし、
動くことが傷口を広げたり、
行き過ぎた運動量によって、
疲労物質の増産や
組織の微細な破損が起きれば、
痛みは返って強くなることもあります。

動く事で痛みが和らぐ理由
としての脳での要因

痛みという感覚を
意識の中に作り上げる行程は、
無意識下で脳によって行われています。

この行程には、
身体からの炎症の情報、
傷口からの情報、
患部に加わる力の情報、
過去の怪我の記憶、
正常だった時の患部の状態の記憶
などの多くの要因が
意識とは関係せずに関わっています。

動く事でこれらの痛みの材料の中で
大きな影響を受けるのは、
炎症の情報と患部に加わる力の情報、
傷口からの情報であると思われます。

炎症の情報変化については、
先の節で解説済みですので
ここでの説明は割愛します。

患部に加わる力は、
傷口からの情報と相まって、
患部への影響を脳が判断し、
組織へのダメージが大きくなりすぎるのか、
それとも、
普段の運動時とあまり変わらない許容範囲か
を天秤にかけ、
その結果として、痛みという感覚の量を
決めていると考えられます。

医療分野の一般的な表現として、
動きによる変化を脳が許容範囲と判断し、
動く痛みが緩和された場合、
痛みへの運動(感覚)適応が起こったと
言われます。

よくある代表的な例が、
慣れない運動をした後に出る筋肉痛です。

筋肉痛は、動き方よっては、
運動を続けている内に
痛みが緩和することがよくあります。

これは、正に、
痛み感覚への運動感覚の適応です。

脳の印象としての人の動きと
ASC他動的運動療法

動きという行為が作り出す患部の変化や
運動情報による脳の判断が
鎮痛の可能性を秘めている事は、
御理解頂けたでしょうか?

その鎮痛効果の可能性を高めるか、
もしくは、
逆に痛みを憎悪させるのかの要素の中でも、
痛みへの治療法として
取り入れることが出来る要素があります。

患部の環境(状況)の変化、
特に体液循環の促進は、
殆どの種類の治療行為の中に
取り入れられています。

ですが、
運動情報への脳の印象に対して、
良好な影響を与える事ができる要素を
取り入れることができる治療行為は、
運動療法以外には有りません。

私が考え出したASC他動的運動療法は、
運動情報の中の痛みに変わりやすい様な
力の情報だけを上手く取り除いた
特殊な運動療法です。

私は、その工夫に
30年近い年月を費やして来ました。

そして、
いくつもの方法を見つけだし、
治療行為に反映させ、
その都度、治療技術を向上させてきました。

今回の記事の内容は、
その臨床経験から導いた知識でも有り、
それゆえに私独自の理論でもあります。

ただの私の想像論かも知れませんが、
そうでは無い理由が
私の現在の治療成果にはあります。

慢性化した痛みの治療を
私に託してみようと思われた人は、
奈良県香芝市の下間整骨院にお越しください。

フォロー宜しくお願いします


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