ラジオ体操や健康体操で痛みを感じ出すのが時間的・期間的に遅れる傾向があるのはなぜか?
ラジオ体操や健康体操で痛みを感じ出すのが時間的・期間的に遅れる傾向があるのはなぜか?
前回のブログの続編です。
私のところに来られる全ての人に私は健康体操やラジオ体操をオススメしていません。
どこか痛む場所がある人はもちろんのこと健康増進目的のケアの人に対しても
ラジオ体操や健康体操をオススメしません。
その理由は単純です。
身体にとって好ましくない動きが含まれているからです。
身体にとって好ましくない動きは、日常的にも多く見受けられ、
その動きが痛みを慢性化させていたり、関節の変形の原因になっていることが珍しくはありません。
少なくとも私は、そのような痛みの原因動作を見つけ、修正して痛みを緩和させることが得意です。
人にとって好ましくない動きを行うというリスクを
不確かな効果を期待して負う必要が有るとは思えませんので
健康体操やラジオ体操はオススメしません。
しかし、御本人の意思がアンチエイジング(老化防止)に強く傾いていて
その方法がラジオ体操や健康体操にあるのだと勘違いしてしまっていると
私が止めるように説明しても聞き入れて頂けないことが多々あります。
人は自分の意思に従った行動が大好きであり、
その意思の中に自分にとっての有益性(若返り・体力向上・美意識・趣味と嗜好性など)が想像できれば
意思を継続することによる自分にとっての不都合性に目を向けなくなる傾向が強くあります。
それを手助けしてしまう現象が、『ラジオ体操をしても痛くない』
『○○という体操は爽快である』と感じてしまう自動運動の感覚特性にあります。
ラジオ体操や健康体操で痛みを感じ出すのが時間的・期間的に遅れる傾向がある理由
感覚のきっかけになる身体に起こる変化や変化を起こす要因を刺激といいます。
刺激の量が感覚として感じるか感じないかの境目を閾、または、値値といいます。
この閾値は、常に一定ではありません。
特に痛みという感覚は、閾値の変動が大きく、
また、患部の病態によって刺激の種類による閾値の違いがよく診られます。
動いた時の痛みの中でも慢性化した痛みは、
患部での炎症という痛みの一要素が大きく無いことが多く、
これが運動中は痛まないという現象の最大要因です。
炎症の量次第で痛みの閾値は、上下しますが、
運動が新たな組織損傷を招くほど激しく無ければ、
運動中の血行促進効果によって
炎症に関係する物質は、患部から取り除かれていきます。
また、運動中の脳は、運動感覚情報の処理と対応に
無意識であっても大きく関与しているので
痛みという感覚は感じ難くなっています。
これらの事情に加えて、血行の促進や運動することによる
身体に良い効果を脳が感じると
爽快感や達成感という快感が出来上がり、
全体的な運動の良い効果影響で痛みの閾値は高くなります。
閾値が高いということは、痛みを創る刺激量が多くないと痛いと感じないということです。
これまで書いてきた内容だけを見ると
ラジオ体操健康体操などの軽い負担運動行為は、
健康増進や痛みの緩和非常に有効であるように思えます。
ところが、実は、大きな落とし穴があるのです。
しかも、その事に多くの人は気付いていません。
その落とし穴こそが、人にとって好ましくない方向の動きが取り入れられているということです。
痛みの閾値を越えていない運動内容(刺激)であっても
好ましくないと判断される動きを繰り返すと、
運動管理を無意識で担っている脳領域は、
その行為に対して警戒を抱くようになり、
その動きに関わる筋肉の役割を
動きを止める方向に働く筋力が強くなるように調整してきます。
この動きを止める方向に働く筋力が強くなっていても
意識した運動は継続されますので、その影響は、関節への負担増加として現されます。
車に例えるなら、サイド(フット)ブレーキをかけたままアクセルを踏んでいるようなものです。
ところがこのような運動機能状態になっていても、
痛みという感覚が意識で感じ取れないと人はそのことに気づけません。
先ほどの例で言えば、サイド(フット)ブレーキをかけた時に点灯するランプが痛みだとします。
このランプが何らかの理由でサイド(フット)ブレーキをかけているのに点灯していなければ、
よほど強くサイドブレーキがかかっていなければ、走行の異常に気づける人は少ないと思います。
また、急いでいるときなど、何かに注意が向けられていると
ランプが点灯していても気付かないことあると思います。
不必要強い筋力が運動への警戒から発生している状態で
ラジオ体操や健康体操を行うという行為は、
まさに先のサイドブレーキをかけてアクセルを踏む運転と同じなのです。
しかも、そのことに気づけるのは痛みが出た時です。
ところが、負担少ない運動という行為は、
痛みの閾値を上が上がっていてダメージがあっても痛みは感じにくくなっています。
結果、動きへの不必要な筋力が加わったままの運動が継続され、
それによって患部に組織的なダメージが蓄積される可能性が高くなります。
そして、ラジオ体操などの簡単な運動行為で痛みを感じるようになった時には、
患部の組織的病態は相当に悪くなっているという例が非常に多くあります。
このような痛みが出るまでの時間的・期間的な遅れが
多くの変形性関節症の悪化原因の一つだと私は考えています。
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