原因がはっきりしない腰の痛みを例に挙げての慢性疼痛の解説
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この項目では、骨や筋肉などの組織に特別はっきりとした異常が見付からない原因不明とされるタイプの腰痛を例に挙げて慢性疼痛(慢性痛)の話をしていきます。
腰痛についての一般的な考え方
まず初めに、腰痛は、病名(疾患名)ではありません。
腰周辺に現れる痛みの総称(症状名)です。
原因がはっきりしないことも多く、レントゲン撮影をしても、何の異常(病気の原因)も骨には映らない事が珍しくはありません。
これだけの説明で終わったら、一般論に過ぎず、下間整骨院を頼って頂く意味も無くなりますので、私的意見ですが、出来る限り科学的に妥当な見解で解説して行きたいと思います。
腰に感じる痛みを例に挙げて慢性疼痛を解説
意識の中の痛みという感覚が示す役割
そもそも、痛いとは、どういう役割を持った感覚なのでしょう?
痛いとは、痛む場所に意識を注目させようとする感覚だと言えます。
少し、難しい話になりますが、意識はどこが作り出しているのでしょうか?
意識は、複数の身体の感覚と思想や欲求を交えて脳が、創り出しています。
痛みという感覚を通じての脳の意識領域と無意識領域の役割の違いについての解説
脳は、一つの器官ですが、その役割は、場所によって相当に違います。
人の意識を造り上げる場所と人の動きを管理する場所は、脳の中でも違う場所です。
お互いに神経の枝で繋がってはいますが、完全にその働きは、分けられているところも多くあります。
このように、同じ脳という器官の中にあっても意識に関わる脳の領域と人の動きの調整を無意識下で管理する脳の領域は別々の場所に存在しています。
だから、歩こうと考えただけで、股関節や、膝、足首の動きは協調性を持って動き、意識を配らなくても滑らかな歩行動作ができるのです。
ではなぜ、脳の中の運動管理に関わる領域は、痛む場所を人の意識に注目をさせたがっているのか?
その答えは、間違いなく、「痛む場所(腰)に異常がある」ということを自覚させ、動くことを意識的に制限させるためでしょう。
動きの全体像や細やかなコントロールは、動きを管理する脳の無意識の領域が行いますが、何をするのか、どんな動きをするのかは、脳の意識に関わる領域が決めているからです。(動きの欲求と意思)
意識に関わる脳の領域が示す欲求は非常に強く、それを止める手段は、更に強い欲求か、満足感、または、危機感や苦痛しかありません。
その中でも、苦痛が、動きの欲求を制止するのに最も効果的です。
ですから、運動管理役の無意識領域の脳は、脳の意識の領域に、痛みという感覚を創り出すのです。
身体が壊れないようにするために!
慢性疼痛の創られ方
通常、意識に関わる脳の領域は、炎症物質が沢山あったり、組織がある程度の範囲で傷付いた時の感覚情報はそれを脳の意識領域がすぐに受け止めて痛みとして認識しますが、組織が壊れそうな力が加わった事や大きな負担があるなどの情報は、そのことを運動管理役の脳を介してしか知ることは出来ません。
また、そのような情報を多く伝えるかどうかも、意識に関わりが深い脳の領域とは別の領域で運動管理役の脳の領域を中心に行われています。
このように原因不明とされる腰の痛みに代表されるような慢性疼痛の主な情報源は、意識の脳とは異なる無意識の脳の領域の働きで創り出されているのです。
その創られ方の主な内容は、”患部に加わった力”の情報を痛みの情報であるかのように変えて扱うことです。
腰痛の中でも、動くと痛む や 同一姿勢をとると痛くなるといった”患部に加わる力”が痛みの増減に関わっている症状の殆どは無意識領域の脳の作業で行われた感覚の変異が主要因となっており、このような腰の痛み(慢性疼痛)を原因不明の腰痛として医療界では扱われているのです。
治り難い腰痛などの慢性化した痛みの治療についての下間整骨院の考え方
慢性疼痛が創られる過程の詳細は、現在の医学では未解明とされていますが、先に私が述べた意見が正しいと仮定するならば、慢性疼痛への対応策は色々と考えることが出来るようになります。
因みに、ロキソニンやボルタレンは、炎症に関わる物質が作られるのを妨げる薬です。
多くの症状的特長から、慢性疼痛の信号を作り出す材料の主要な要素として、”患部に加わる力”(負担)が関わっているということは疑う余地がありません。
現実に、慢性腰痛でよく観られる痛みの変化の様に、患部に負担が掛かると、その負担の大きさに比例して痛みが強くなるという現象は、多くの方が経験されていると思います。
このことを治療手段に取り入れるならば、慢性痛(腰痛)の解決策として、最も合理的な手段は、患部への力の負担を減らすということになります。
さんざん難しい事を言ったわりには、最後は、当たり前の事を言っていますね。
でも、その当たり前の事をしっかりと分析し、どのように捉え、どう治療行為とするかが下間整骨院が、他の治療院とは違うところです。
「負担に強くなるために筋力を上げなさい」一般論として、よく耳にする言葉ですよね。
私は言いたいです。「どうやって?」と。
なぜなら、慢性痛の主な情報源は、患部への負担です!
筋力を上げる具体的な手段とは、運動や筋トレをすることなのでしょうか?
筋トレや運動は、患部に負担掛からないのでしょうか?
痛いと訴える人に痛みの情報源を取り入れさせるのことが本当に適切な対応なのでしょうか?
運動管理役の脳は、患部への負担を嫌って意識に痛みを創り出し、運動という患部への負担に制限をかけています。
このことは絶対に紛れも無い事実です!
動くことへの制限として痛みという感覚が創り出されている状況で筋力を上げる運動やトレーニングを行うという痛み対策は、全くもって矛盾しています。
では、どうすれば良いのか?
その答えこそ、手前味噌ではありますが、当院のASC他動的運動療法なのです。
因みに、背骨の歪みの矯正やその理論は、慢性痛への対策としては、全く理にかなっていません。
ただし、矯正と称して行っている行為に痛みの緩和効果があることは認めます。
しかし、その効果の本当の理由を施術者が解っておらず、安易な理屈で置き換えられていれば事故が起きても不思議ではありません。(気をつけて施術を選んでください)
治り難い慢性腰痛も下間整骨院に御相談ください。