ボールを投げられない肘の内側の痛み、内側上顆炎

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内側上顆炎の原因としての投球動作の分析

野球で肘を傷める場合、その代表的な疾患は、肘の内側に痛みが出る内側上顆炎という疾患です。

この疾患については、投球動作においての腕を振り下ろす動作において、ボールを放つ動作の少し前に行われる肘が伸びる動きの始まり辺りで、手先(ボールを握っている所)の動きの軌道(位置)とその時の体(体幹)全体の動きの方向に差異が生じることが原因となっていることがほとんどです。

ボールを握っている手先の動き(軌道)と、体(体幹)全体の動きが互いに離れて行く関係を作ってしまうと、双方が離れていく力は肘の内側に集中します。

その時、肘の関節の内側には、関節を引き離すような力が強く加わります。

そうなれば、肘の内側に集中した離開力の影響で内側の靭帯や筋肉の端(腱)を傷めます。

下間整骨院での内側上顆炎への対処方法は、コチラをクリックして御覧ください。

野球肘の悪化を防ぐ本人にできること

ここでは、本人が出来る野球肘への対策を書いていきます。

ただし、あくまでも、悪化させない為の予防的対策であるということを御理解ください。

投球動作に違和感や痛みを感じたら早急にすべきこと

内側上顆炎の中でも野球の投球動作が原因となる肘の痛みは、離断性骨軟骨炎を招いたり、靭帯や腱を切ってしまう恐れもあります。

肘に違和感を感じれば、出来るだけ早い段階で、指導者と保護者を交えた話し合いを行い、専門知識の豊かな医療機関を受診してください。

少年野球をされている子供さんをお持ちの親御さんは、特に注意してあげてください。

その上で、ここに書いていることを参考になさってください。

もちろん、文章で理解しにくければ、私にお問い合わせください。

自分で出来る投球動作の修正方法

ここからは、自分で原因となる動作(投球フォーム)の修正が出来るようになるための知識と考え方について書かせて頂きます。

尚、前提条件として右投げの投手のストレートを投げる動作を想定しています。

変化球に関しては、多様過ぎて一般論的に文章にはできません。

その点についての御質問は、個人的にお問い合わせください。

肘に負担をかける身体の傾きが起きる理由

先にも書きましたが、肘の内側への負担の直接的原因は、ボールを放つ直前のボール軌道と反対方向の側方に身体が傾くことです。

右投げであればファーストベース方向ですね。

この動き、実は、投げるときの癖というよりは、動き全体、特に右投げなら、左足を着くまでの身体全体の動きが影響して必然的に起きていることが多いのです。

ところが、多くの指導者は、身体の傾きに原因があることさえ解っていません。

ですから、ご自分で勉強し、御自身が努力しましょう。

無駄な努力をしなくて済むように文章でお手伝いさせて頂きます。

話しを戻します。

身体の傾きは、必然的に起きていると書きましたが、では、その必然の原因は何なのでしょう?

実は、投球動作でマウンドからホームベース方向に向かう動きを途中で止めてしまうような力が加わっていることが殆どのケースの原因なのです。

ホームベース方向に身体全体が向かう力が強すぎれば、ボールを放つシーンで重要な土台(身体全体の支持場所)となる左足を乗り越え前方に倒れてしまいます。

それを防ぎ、ボールを放つに最も適した身体動きを造り出すために左足の着地によって伝えられる地面からの反発力で身体全体のホームベース方向への動き(運動力・慣性力)を調整しています。

左足からの反発力は、主に骨盤のホーム側への動きに制限を掛ける力となります。

ですから、それが適度な制限量であれば、上半身上部を右腕と共にホーム側へと投げるのに適した方向に強く向かわせる働きをします。

ところが、地面から伝えられる反発力の伝わり方が適切でないと、骨盤部周辺だけでなく上半身上部もホーム側へ向かい難くなります。

ところが、ボールを持った手が地上から最も高い位置に来た後の腕(ボール)をキャッチャー側へと振り込むホーム側への動きは止まってはいません。

そうなれば、その動きに上半身上部は引っ張らます。

そこで起こるのが上半身の右肩中心に前方に向かう動きなのです。

ところが、この前方に向かう動きが、先ほど説明したような地面からの反発力の不適切な伝わりによって邪魔されると代償的に左肩を後方に引くような動きになります。

ただし、この代償動作は、見た目ではわかり憎いです。

なぜなら、身体全体としてはホーム側に向かっている時の動きの中の終盤辺りで現される動きだからです。

見た目(地上基準)に左肩が後ろに向かう動きをしているわけではありません。

しかし、このような左肩を後方に引く動きが、必要以上に大きかったり、また、そのタイミングが早すぎれば(ボールを放つ寸前からが正しいタイミング)その影響で、上半身は、左側(ファースト方向)に傾きます。

これが、野球肘の痛みが起こる理由の最も多いパターンです。
(変化球投球は除きます)

動作修正として御自身で実際に行うこと

身体原因は、上半身の傾きであり、そうなる理由は、前に踏み込んだ足から伝わる反発力に伝え方の不適切性です。

では、どのように左足からの反発力を伝えれば良いのか?

その点に関しても、左足の付き方に影響を及ぼす、動作の要因が複数あり、それぞれに合わせた動作修正が必要となります。

このような視点から動作修正を行うことは、おそらく、プロ野球経験者でも殆どおられないでしょう。

プロ野球の解説を聞いていればその動作分析能力は解ります。

では、皆さんはどうすれば良いのか?

そこまで細かく追求しなくても動作修正できる方法をお伝えします。

その方法とは、投球動作の中の左足を着いて膝が曲がった姿勢(シーン)を造りそこからボール投げる練習をしてください。

そして、上から振り下ろす腕の振り勢いにひざの伸びと上半身上部右側が着いていくような動きをひたすら練習して身につけてください。

腕の振り込む勢いを強くするのでは無く、どのような振り込む勢いの時にも、自然に膝が伸び、上半身上部がついて来るようなバランスを膝と股関節の曲げ角度を調整しながら御自分の感覚頼りにホームを造って行ってください。

その姿勢からの投球で、全力で投げても痛みが肘にでなくなれば、本来の投球ホームを行ってください。

ただし、先の練習で身につけた、左足を着いた姿勢からの投球ホーム(のバランス感覚)が造れるような(意識で感じられるような)左足を着く前の動作を捜しながら行ってください。

造れるまでは、実際にボールは持たないで、動きだけを行ってください。

要するに投球動作を2分割し、それぞれの動きで重要視することをしっかりと決めて練習するのです。

野球肘の治療や動作指導も組織が大きく傷付く前なら御自分の努力で解決できる可能性は充分あります。

もちろん、下間整骨院に御相談くだされば、アドバイスさせて頂きます。