整体ってそもそも何でしょうか?背骨や骨盤が歪んでたらなぜ痛いのでしょうか?
整体ってそもそも何でしょうか?
私の用いる手技療法は、運動療法です。
ゆっくりと患者さんの手や足を動かすことがその主な内容です。
患者さんには、『他動的運動療法です。』
とお伝えしているのですがなかなか御理解頂けません。
殆どの患者さんが、整体だと思っておられます。
私の弟子ですら、
『患者さんに伝わりにくい』という理由で
“整体”という表現をしています。
施術へのイメージとして、
患者さんに新たな方法を伝え理解して頂くのは
非常に難しいことだと感じています。
その面から考えれば、
整体という一般認識の高い言葉を用いても良いのか知れません。
ですが、
安全で有効性の高い特殊な他動的運動療法
の製作者である私の立場としては、
せめて、古くから存在する他動的運動療法という施術分野だけでも
広く世間に浸透させて行きたいと願っています。
前置きが長くなりましたが、
今回は、私の施術と整体との相違点を御理解頂くために書いて行きます。
私の施術方法についての記事と合わせてお読み頂ければ幸いです。
ここからは、私の整体についての私的概念を書いていきます。
整体という名称が示す医療類似行為の内容とは?
整体とは、そもそもどのような行為であり、
どのような理念から成り立っているのか?
行為としての方法論は、
おそらく、かつては、急激に関節を動かさせて
“ボキ”という可動音を出させる事を目安にした
手技療法だったように思います。
昨今では、
整体という名目で、強く筋肉を揉んでいたり、
スチレッチ様の手技であったりと
多様化しているように思えます。
そもそも、整体という医療類似行為についての
正式な定義がはっきりしていません。
整体への定義付けとして、
体の状態を整えるために行う徒手による医療類似行為
と解釈すれば、
ボキボキ行為であっても、
強く揉む行為であっても、
スチレッチであっても、
整体と称して良いのかも知れません。
ただ、患者さんの側としては、
整体を行う側の方法の多様性によって、
整体と聞いても何をされるのかも解らず、
イメージもあやふやになりつつあるようです。
一つの施術所で行われている整体行為でさえ、
その方法に統一感が無い施術所も増えているようです。
この辺りのあやふやさは、
元はといえば、痛みやその他の病態に対して
徒手療法の効果についての理由説明が
極めて不確かな理屈付けである事に原因があると思えます。
殆どの整体の治る理由付けが、
背骨や骨盤のゆがみが矯正されるという点に置かれています。
急激な動きによるボキボキ行為が
なぜ背骨や骨盤のゆがみの矯正に繋がるのでしょう?
例えば、ズレている方向があるとして、
そのズレが日常生活の中で起こったのであれば、
整体行為による力学的条件は、
ズレた範囲を最も正しい位置に戻すだけで済むのでしょうか?
逆に、
もともとズレていた方向と反対方向にズレることはないのでしょうか?
もしくは、ズレを戻そうとして、
丁度良いところを行き過ぎてしまうことは無いのでしょうか?
それは、矯正行為の力加減で正確に達成できるのでしょうか?
瞬間的な行為による力加減だけで、
日常生活の範囲ですらズレるような要素を
本当に早く刹那な行為の中の力加減だけで理想通りに戻せるのでしょうか?
しかも、上手く行っているかどうかの目安も極めて曖昧であるように思えます。
例えば、
仰向けに寝た時の足の長さの違いや、
後ろから見た背骨の左右への曲がり具合の違い
といった、足の置く位置や筋肉緊張具合だけで
簡単に変わる要素を目安にしているだけであるのに
施術や施術効果論の礎(指標)のように扱うべき事なのでしょうか?
確かに、
体の働きの良し悪しを何かで指標化することは非常に困難です。
従って、目安や傾向として、
体が示す何らかの現象を用いることは悪いことと思えません。
ですが、目安程度の価値しかない指標を
施術者が信奉しすぎていては、
そのような根拠に頼った医療類似行為の発展や進歩は難しいように思えます。
そもそも、
背骨の左右の多少の偏りは本当に痛みや病気の原因なのでしょうか?
骨盤の個人差の範囲と言えるゆがみは、
あってはいけない事なのでしょうか?
歪んでたらいけないのは、
なぜ骨盤や背骨限定なのでしょうか?
顔なんて、完全に左右非対称です。
手や足の利き手や利き足の違いによる左右差はどうとらえるのでしょう?
痛みや病気を単に体の見た目から論じるには、
あまりにも多くの不確定、かつ、統一性の無い要因が多すぎます。
痛みもその他の多くの症状も、その根本性が神経組織の働き、
特に、脳という判断力を持つ器官の働きに委ねられています。
脳にとっては、
私や多くの徒手療法家がこだわるような施術名称は何の意味も有りません。
脳による痛覚形成のための判断には、ただ純粋に、
どのような刺激が身体に加わったかということや
その加わった刺激内容は、
許容できるものであるのかどうかということが
痛みという感覚の強弱に反映されるだけです。
このような視点こそ、徒手療法に必要な考えであり、
安全で的確な対応を患者さんに提供するために
絶対に必要な要素だと私には思えています。
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