痛くて歩けない足首から下の足先の痛みの原因分析

 

足首から下の足先に出る痛みは、
痛みの出る場所によって原因分析や傷病予想をしやすい傾向があります。

歩くときに辛い足の裏側の痛み

足の裏側に出る痛みは、

・カカト(踵)

・親趾の付け根(中足骨骨頭下の種子骨)

・人差し指や中指の付け根(中足骨骨頭)

・土踏まずの中央付近

と言った場所に一般的に多く診られます。

何れの場所の痛みも、体重が最も多く掛かるシーンにおいて、
その体重中心が足の指(趾)に集中している事に原因がある傾向が強くあります。

痛みの部位が違うのは、
足裏への体重の掛かり方が少しずつ動作条件によって違うからです。

足が着けないカカトの痛み

例えば、カカトの痛みですが、
前傾姿勢や引きずり歩きによって起こっていることが殆どです。

前傾歩行や引きずり歩きでは、
足裏全てが地面から離れる直前の動作シーンにおいて、
カカト下の浮き上がり幅が小さくなります。

このような場合、
カカトの下面が浮かなければいけない歩行動作シーンにおいて、
カカトが下方向に落ちようとする力が強く働いています。(代償的に膝が伸びている)

このカカトが下方向に落ちようとする力は、
カカトが上に上がろうとする力を引き合いになる拮抗力です。

そうなれば、長足底靭帯付着部やアキレス腱の付着部に
局部的伸張力(引きちぎれるような力)が作用します。

ただし、アキレス腱は筋肉の端であり、
引き伸ばされるような力への対応性能が、長足底靭帯よりもはるかに高い為、
歩行動作というレベルの負担率ではあまり組織的なダメージを負いません

ゆえに、足底のカカト寄りにある組織(長足底靭帯や足底腱膜付着部)の破損と
それに続く炎症の方が優先的に起こってしまうのです。

また、この部位の痛みでは、
足底のカカト付近の痛む場所にトゲの様な骨か(踵骨棘)がレントゲン写真で写ることもよくあります。

『このトゲのせいで痛むんです。』といった、
レントゲン写真の見た目だけを重視したいい加減な説明をされる医療機関も少なくはありません。

レントゲンで写っている画像は、固い物だけを写した2次元画像です。

踵骨棘は、トゲの様な写りはしていますが、
実際には、帯状の幅を持った長足底靭帯に付着したカルシュウム結晶です。

水平面に広い帯状の物体を横から見ることでトゲの様な形に見えているだけです。

ですから、トゲのせいで痛むのでは無く、
そのような像が写るぐらい日常的な炎症が起きていることが痛みの最大の理由です。

その結果として、カルシュウム沈着を招いているだけなのです。

日常的に炎症が起きている原因は、先にも書かせて頂いたように動作不備(主に歩行動作不備)にあります。

カカト下の痛みの解決策としては、
その痛みの正体は炎症ですので、組織が破損されるのを止めれば良いのです。

つまり、動作不備の修正(歩き方修正)行うことで痛みは治ります。

その具体的な方法の多くは、足を浮かす幅を少し増やすということで良いのです。

足を浮かす様な歩き方を心掛けようとしても上手く行かないようであれば、
その理由を探す必要がありますが、多くの場合、その理由は動作中のバランス機能の低下にあります。

歩き方の修正やバランス機能の回復は、多くの足の痛みへの解決策としての共通点ですので以後は割愛致します。

尚、具体的な方法論については、コチラ記事を御参考ください。

足の裏の真ん中付近が痛む理由

長足底靭帯(足底腱膜)中央付近の痛みについては、
体重が最も多く掛かる片足支持動作(歩行動作の立脚中期)シーンでの足指支持が原因です。

このような痛みを抱えておられる人は、
カカト下の痛みの例に比べれば、足が地面から離れる動作の時には、
カカトが浮いている歩き方をしていることが多いです。

むしろ、普段から、カカト下を浮かせたような支持足動作をしていたり、
カカトにあまり体重をかけないような歩行・走行動作の癖を持っておられる人に現れ易い症状です。

足の指に多くの体重が加わり、
指が強く背屈(爪側に上がる動き)されると、
足首の動きとしては、自然と地面を蹴る方向の動きをします。

このような動作は、離陸時(立脚終期)においての動作シーンに現れるからこそ活かされます。

脚全体に掛かる体重が無くなって行くようなシーンだからこそ無理なくできる動きなのです。

地面を蹴る方向への動き幅を持った足首の動き(底屈)は、
身体全体がすでに進んでいる運動方向に着いていく(追随する)ための動きです。

そのような動作が、体重支持が必要な動作シーン(立脚中期)で現れると、
地面からの衝撃を和らげるための動きが失われています。

地面からの衝撃を和らげるための動きの基礎となるのは、
足首での背屈(足の甲側に動く)という先ほどの蹴る動きとは真逆の動きです。

歩く(立脚)時の足首でのわずかな背屈動作(足の甲を上げる動作)は、
ふくらはぎの筋肉へと体重や運動負荷(地面からの衝撃)の殆どを伝え、
更に、膝や股関節の適切な動きを導いて足裏に集中するはずの衝撃を分散させていきます。

このような動きが失われるのですから、当然、足裏への衝撃集中は免れず、
組織は荷重に耐えかねて破損し、炎症を起こして痛みが現されます。

これが足裏中央付近の痛みの正体です。

スポーツ動作の中の短距離走選手に多い、足裏の親指の付け根付近(母趾球)の痛み

足の親指付け根付近(母趾球)の痛みは、短距離選手に多く、スタート直後の加速時など、
地面を強く速く蹴る動作において、その時の体重中心が親趾に来ている事が原因です。

走行動作時の身体バランスが前方偏りになりすぎていることが根本的な原因であることが殆どです。

若い女性に多い足の指の付け根付近(外反母趾は除く)の痛みの原因と理由

足の人差し指や中指の付け根の痛みは、
ケーラー病という骨端炎であることが多く、その殆どの症例が若い女性に見られます。

原因の多くは、カカトの高い靴を履くことです。

ハイヒールを履くことで、中足骨骨頭に体重が集積し、
横アーチが押し潰されて骨頭に圧力が集中することで起こる炎症です。

足の中央内側付近の痛み

その他にも舟状骨骨端炎有痛性外脛骨症などもありますが、
どのタイプの痛みも、解決策は、殆どの例で歩行動作や走行動作の修正です。

足部の中央内側の痛みは、
俗に”土踏まず”と言われる足裏の縦アーチの内側が押し潰されるような動きの癖が原因です。

歩行動作としてはX脚歩行、走行動作としてはトラック競技のカーブ、
その他、方向転換動作不備なども原因となることがよくあります。

いずれの場合も、原因動作の検出と修正が必要です。

ただし、はっきりとした原因のある怪我に関しては、骨折や靭帯損傷も多い部位です。

従って、その様な時には医療機関でレントゲン検査と医師の診断を仰ぎましょう。

怪我であった場合、出来れば大袈裟な位の固定もして頂いた方が良い部位です。

下間整骨院では、固定や怪我の治療も得意としております。