椎間板ヘルニアが有っても坐骨神経痛を感じない?

前回ブログの中で、
「坐骨神経の働きの変異は、
椎間板ヘルニアによる
坐骨神経への圧迫の有無に
関わらず起こります。」
という表現をしました。

今回のブログは、
その理由を説明しながら、
椎間板ヘルニアがあっても
坐骨神経痛を感じる時と感じない時とがある
理由につてのお話をさせて頂きます。

神経組織の働きについて

まず、神経の働きのお話をします。

神経は、
全身に配置された電線の様なものです。

神経細胞の構造は、
“細胞体”と
“細胞体から伸びた神経線維”
とで出来ています。
(詳しくは→コチラ)

その役割は、
神経線維を使って他の組織や
他の神経細胞に信号を送ることです。

神経線維は、
多くの場合、沢山の数が集まって
神経線維の束となっています。

通常、一般的に
『神経』と呼ばれているのは、
この神経線維の束(神経線維束)のことです。

坐骨神経という
神経線維の束について

坐骨神経は、人体最大の神経線維の束です。

一本の神経線維を流れる電気信号は、
1秒間に100回以上になることもあり、
その神経線維が多数集まっているのが
神経線維の束です。

ですから、
神経線維束を伝わる電気信号の量は、
少ない時間単位であっても非常に多くなります。

人が動いている時はもとより、
安静にしている時でも
相当に多くの電気信号が
神経を通じて配信されています。

この様な神経線維の電気信号には、
脳や脊髄に送られるものと
脳や脊髄から身体各部に送り出されるもの
とがあります。

脳や脊髄では、
送り込まれてくる電気信号を処理して
感覚を創ったり、
身体へと送り出す電気信号の内容を
決めたりしています。

脳と脊髄には、
身体の管理役と司令の二役を担っていて、
それぞれの役割に適合した場所があります。

坐骨神経の活動変化が起こる原因と
神経痛の病理(理由)

ここから本題に戻ります。

坐骨神経線維束は、
椎間板ヘルニアによって圧迫されると
その中のいくつかの神経線維が
電気信号を伝え難くなったり、
逆に、電気信号が多くなったりします。

この状況は、
椎間板ヘルニアによる圧迫が無い状態
と比べれば、
明らかに神経線維束全体としての
電気信号(働き)を変異させている
ことになります。

また、時には、
椎間板ヘルニアが画像診断で
見つからないにも関わらず、
神経痛を感じる人もおられます。

椎間板ヘルニアによる圧迫が
無いにもかかわらず、
神経痛を感じる事があるのはなぜでしょう?

一つには、
実際には椎間板ヘルニアによる圧迫があり、
単にMRI撮影などの検査に
写し出されていないだけということも
考えられます。

ですが、
本当に神経圧迫の要因が、腰椎周辺には無い
例もあると思える例もあります。

そのような
神経圧迫の要因が腰椎周辺には無い例の
坐骨神経痛には、
どのような原因が有るのでしょうか?

それは、
腰の周辺に炎症が起きたり、
分離症や脊柱管狭窄症などの
脊柱の変化が起こったりするだけで、
腰周辺の筋肉は過度に緊張するからです。

このような
筋肉の過度の緊張(時には筋力低下)状態は、
脳や脊髄に送る側の坐骨神経束の
電気信号パターンに変化をもたらします。

この変化が
受け取り側の脳によって、
異常事態と判断されれば、
腰痛や坐骨神経痛となります。

余談ですが、
私の治療経験からの予想としては、
腰周辺の筋肉の働きの異常が強ければ腰痛に、
お尻や股関節周りの筋肉の働きの
異常が強ければ、坐骨神経痛
という症状になりやすいように思います。

あくまでも傾向としてですが。

その理由も想像上のものとしては、
私の中に理論化されていますが、
坐骨神経痛を他動的な運動療法で
緩和する為だけに必要な知識であり、
ここでは必要ありませんので
書かないでおきます。

話しを戻します。

先に説明してきたように、
坐骨神経(線維束)への
圧迫が有る場合はもちろん、
圧迫が無くても、
腰部周辺に何らかの異常が有るだけで
坐骨神経の電気信号は変異します。

脳に送られてくる坐骨神経由来の
電気信号の変異を
脳がどのように判断するかが
坐骨神経痛の有る無しに
深く関わっていると私は考えています。

椎間板ヘルニアが有るのに
坐骨神経痛を感じる時と
感じない時がある理由は、
坐骨神経痛という感覚を
意識の中に創り出す脳の判断基準に
多様性・変動性が有るからです。

その多様性・変動性が有る理由は、
痛みという感覚は、
身体の構造に対する危機を現す感覚であり、
身体構造に対する危機への判断は、
極端な危機で無ければ、
疲労や環境、経験、心理など、
多種多様な要素の影響を
受けるからだと考えられます。

このような脳の
判断基準の多種多様さや曖昧さが、
坐骨神経痛という感覚を
意識の中に創る時に
強く関わっている為、
椎間板ヘルニアがあっても、
坐骨神経痛を感じる時と感じない時
があって当然なのです。

ただしそれは、
椎間板ヘルニアによる
坐骨神経への圧迫が少ない場合の傾向で、
圧迫が強くなりすぎると
脳の身体構造への危機という判断に
大きな影響を与えるような
電気信号の変異を引き起こしてしまいます。

そうなれば、
坐骨神経痛を常時感じるようになり、
更に悪化すれば、
痺れや筋力低下を招いてしまします。

そうなる前に、
坐骨神経痛を感じたら、
適切な対応を早い段階で
取るようにしてください。

もし、今現在、
通院されておられる医療機関で
改善の兆しが無いようでしたら、
下間整骨院にお気軽に御相談ください。

フォロー宜しくお願いします


Warning: Division by zero in /home/shimotsuma/xn--asc-522eq20jw2l746b.com/public_html/wp-includes/comment-template.php on line 1453

コメントを残す