坐骨神経痛へのストレッチの効果は脳が判断する?
逆に、症状が悪くならないのか?
そもそもストレッチって何?
坐骨神経痛に対してストレッチ行うことの
影響を私なりの考えで書いてみます。
坐骨神経痛への治療効果を左右した私の仮説
今回のブログのテーマである
坐骨神経痛に対するストレッチの効果
への一つの答えが、
私の研究成果の中に有るように思えます。
私が、坐骨神経痛を初めとする
多くの痛みをより早く、より確実に治す
ことができるようになった切っ掛けは、
『ストレッチ=筋肉を伸ばす行為』
という考え方を変えた事でした。
『筋肉を伸ばしたから何が変わる?』
『筋肉が伸ばされるとどう変わる?』
『変わった事と痛みとの関係は?』
と自問自答したことで気付いたのです。
単純に筋肉の長さを変えるだけの筋肉の伸び
=柔らかさという筋肉の質としての要素が
直接的に痛みと関係しているのでは無い
ということにです。
もう少し簡単に言えば、
筋肉を伸ばして軟らかくしても
慢性化した痛みが改善するとは限らない
という結論に至ったのです。
神経痛も多くの慢性化した痛みと同じく、
筋肉全体の長さとしての伸びの良さが
痛みの強弱に直接関わってはいない
と私はその臨床経験から感じています。
私の仮説と根拠
筋肉の配置に関連する特性
人の筋肉の殆どは、
2つ以上の関節を跨いで着いています。
手や足にある関節は、
大きな動きを持っています。
大きな動きのある関節動かすための筋肉は、
通常、2つ、または、2つ以上の関節を
跨いで配置されています。
そのような筋肉の配置特製から、
その名称を2二関節筋、もしくは、
多関節筋と言います。
日常動作において二関節筋は、
筋肉の一つの端(関節)付近が伸びると、
もう一方の端(関節)付近は、
筋肉の長さが短くなる方向に動いています。
配置特性の例
太ももを上に持ち上げれば、
膝の関節が曲がります。
太ももにある筋肉の殆どは、
股関節と膝関節の2つの関節を
跨いで着いて(配置されて)います。
太ももを持ち上げる動きでは、
股関節と膝関節は、逆方向に曲がります。
ですから、
太ももに配置されている二関節筋は、
太ももの前に配置されている筋肉も
裏側に配置されている筋肉も
一方の端(関節)付近が伸びると
もう一方の端(関節)付近は短くなります。
少なくとも、
人の動きの殆どで、手や足の筋肉は、
このような動き方をしています。
私のストレッチ行為への疑問
『筋肉の両端を同時に引っ張る事が
基本になっているストレッチは、
痛みを取ることに本当に有効なのか?』
このような疑問を私は抱くようになりました。
私の仮説
若かりし頃の私の中で生まれた、
ストレッチへの疑問に対して、
普段の臨床結果に神経の働きを
照合させながら行き着いた答えが、
『痛みの原因は、身体に加わる力や
身体環境(炎症、傷、圧迫など)を
脳がどのように判断するか
にあるのではないか』という仮説です。
この20年以上前の私の仮説を
証明する事実は、
昨今、沢山報告されています。
テレビで良く聞かれる
慢性疼痛の説明もその類です。
私の施術結果も含めて、
恐らく、先の私の仮説は、
痛みという感覚の真実から
大きく外れてはいないでしょう。
だとすれば、
ストレッチで改善するか悪化するかは、
『そのストレッチという行為を
脳がどのように判断するかによって決まる』
ということになると思います。
つまり、
ストレッチの痛み対策としての効果は、
非常に不確定的だということです。
そして、
筋肉がその全体の長さとして
伸びやすくなった、または、
なっていない(伸びが悪い)という現象は、
痛いということと
直接関係する要素では無いと考えられます。
私の臨床経験から考える
スチレッチの注意点と可能性
私の経験からは、
神経痛などの病態がある時、
脳は、今行っている動作は、
現状の身体環境に対して危険行為かどうか
ということに重点を置いて
観察しているように思います。
(この脳の働きは、無意識下で行われます)
痛みへの治療として行われる
スチレッチや健康体操の類も、
無意識領域の脳にとっては、
危険行為かどうかの評価対象です。
無意識領域の脳の判断基準は、
現状の痛みが強いほど厳しい
と考えて良いでしょう。
人が行う行為への危険度の判断基準には、
身体からの感覚情報(動作の力学的条件)が
利用されていることは間違い有りません。
動くことで痛みが強くなったり、
動き方の種類によって痛みに強弱がある
ことは、皆さん経験されていると思います。
ですが、
ストレッチや動作においては、
その行為に対する危険度合いを決める
無意識領域の脳の判断は予測できません。
つまり、
何が危険で、どうすれば危険では無い
と無意識領域の脳に判断されるのかは、
ストレッチや健康体操を行う上では、
予測不可能だということです。
ですから、結論としては、
スチレッチという行為や健康体操が
脳に受け入れられれば、
坐骨神経痛は改善される可能性があり、
受け入れられなければ、
即ち、危険な行為だと判断されれば、
神経痛(痛み)を悪化させる可能性は、
極めて高いということです。
話が進んだ後からの注釈になりますが、
ここまで私が文章中に用いてきた
無意識領域の脳という語句は、
意識に関わっていいない脳の領域のことです。
無意識領域の中でも、
運動の管理と調整を担う脳の領域のことです。
ですから、
今回の説明内容は、
患者さん御本人のストレッチに対する
意識の持ち方や感想の事ではない
ということを御理解ください。
つまり、
脳の動くことへの評価は、
患者さん御本人の意識で
どうにかできることではないということです。
また、
ストレッチや治療を他者が行う場合、
脳の動くことへの判断基準は、
それをコントロールすることも、
予想することも出来ないのです。
となれば、
ストレッチを自分で行うことや
治療として他者(施術者)から受けることは、
一か八かの行為であるかのように思えます。
しかし、
ストレッチの要素を上手く取り入れた
ASC他動的運動療法という行為で、
私は日常的に良好な結果を出しています。
その理由は、
脳の持っている生物全てに共通の特長
を参考にすれば、ある程度の範囲で、
脳に危険を感じさせることなく、
ストレッチや患部を動かすという行為を
行うことが可能だからです。
その特長を利用してからの
私の治療成果は、
急激に向上しましたので、
恐らく、この考え方も
間違えてはいないと思います。
その詳細については、
次回のブログでお話します。
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