動かすと痛いということを脳の働きからシンプルに考えてみる
難しい理屈ではなく、
動かすと痛いということを
簡単に考えると、
動きに伴って痛みが出るということは、
脳が動くことを嫌っているということです。
脳が動くことを嫌っている理由は、
動くことが身体にとって不都合だと
判断しているからです。
組織に傷があり、
炎症を起こしている場合、
そのような脳の判断は当然でしょう。
ですが、
痛みが慢性化すると、
病的というほどの組織的な傷は見られず、
また、
炎症もそれほど大きくはない場合が
珍しくはありません。
では、
いったい何を
脳は、嫌っているのでしょうか?
私は、
スポーツ選手の慢性化した痛みを取ることが
得意です。
その方法の中心になるのが、
競技動作の修正指導です。
そこから得られた経験からいえば、
[人体構造に合った方向の動き
以外の方向の力が加わること]
[姿勢のバランスを大きく乱すような
体積配分に伴った負担があること]
これらのような
人体にとって不利な力学的条件
こそが脳が最も嫌う運動条件です。
脳は、
身体を守るために
運動環境の不備を
痛みとして意識させています。
その役割は、
痛みという感覚だけで
表現されているのではありません。
日常的に繰り返される動きや姿勢の中に
力学的条件としての不備があれば、
そして、
それらの現象は、
脳や脊髄が作り出した
運動(筋力)調整であるにも関わらず、
脳の運動への拒絶を
更に強めることになるのです。
脳は、
自らが行っている
筋肉を利用した運動拒絶(=筋肉の過緊張)
であるにも関わらず、
その結果として起こる筋過緊張に伴う
運動条件の不備を感じ取ると、
そのことを理由に、
更に痛みを強める傾向があります。
このようにして、
痛みは慢性化されていく為、
医療界全体としては、
“慢性的な痛みは脳のイメージで起きている”
という理論が一般化されているのです。
ただし、
そこには大きな盲点があります。
よく考えてみてください。
動いた時の痛みは、
運動への拒絶が原因です。
また、
その拒絶理由である運動内容の不備は、
[動き方]と[筋肉の働き内容]にあります。
筋肉の働き内容の劣化(過緊張)もまた、
切っ掛けの殆どは、動き方にあります。
この点については、
であって、
その行為で痛みが大きく緩和される
私の日常的な治療結果が根拠になっています。
つまり、
巷で最近よく言われている
“脳の感覚イメージへの対応(鎮痛薬)”
という医療だけでは、
根本的な解決は出来ていないのです。
大切なのは、
脳の運動イメージ、
つまり、
動きを表現する為の脳や脊髄による
運動指令の内容を正常化させることなのです。
その指令内容を決める為の
患部周辺からの感覚情報(力学的条件)が
痛みに最も大きな影響力を持っている因子だと、
私には、その臨床経験から断言できます。
このような考えが医療に取り入れられれば、
慢性化した動きに伴う痛みへの対応は、
[運動中の力学的条件をいかにして
脳の気に入った内容にできるか]
を主軸のテーマにしたものになると思います。
そうなれば、
腰痛や膝の慢性化した痛み、
関節の変形で悩まれている人の数を
大きく減らすことができると私は考えています。
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