ギックリ腰の治療と治療後の注意点として重要な歩く動作のスピード
ギックリ腰の治療と治療後の歩くスピード
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本日の初診の人の御様子ですが、来院時は、施術所の段差を上がるのも辛そうで、歩くスピードは、一歩踏み出すのに2~3秒ほどかかる様な速度でした。
病状的には急性腰椎捻挫、いわゆるギックリ腰かと思われます。
昨日受傷後より痛みの為にスローな歩行形態になったそうです。
施術後、立ち上がる際には少し動作痛が有るようでしたが、立った姿勢では、違和感と痛い様な感じのみとの御感想でした。
お帰りの際は、来院時の3倍以上の速度で待合室を移動されておられましたので、思わず私が速度UPを制止をしようとしたら、御本人自ら『今の歩き方、早すぎましたよね。』と少し照れた笑みを浮かべておられました。
私も微笑みながら『そうですね。先ほど注意させて頂いた通りでしょ?』と付け加え、互いに笑いながら施術を終えることが出来ました。
このような日常が私にとっては、とても楽しく、そして、充実感を感じさせてくれます。
痛みと動作速度
人にとっての動作痛は、完全に消えない限り、どの程度良くなったのかは、はっきりと意識できません。
その理由は、痛みを構成する主要な要素は、患部に加わる力の情報であり、その力の情報が、いろいろな条件を受けて脳内で痛みという異種の感覚に作り替えられているからです。
動いた時の痛み、則ち、動作痛とは、動作感覚の異常で感じている感覚です。
その大きな要因は、動作痛という感覚が、普段、はっきりと識別出来ない”運動中の身体に加わる力”や”筋肉が作り出す筋力量”が脳内の情報処理過程で痛みという異種感覚に変化させられた創り物的な要素の強い感覚だからです。
もともと、痛みという感覚は、脳の作業によって創られた感覚という要素が強いので、その強さや改善効果を感じ取り難く、痛いか痛くないかという単純な基準でしか認識できにくい傾向があります。
ただ、脳の痛み感覚を創る行程に大きな影響を与える患部(腰)周辺の筋肉の働き内容の変化が、私には特殊な運動療法を通じて施術中の手に伝わる抵抗力で感じとることができ、その状況下でおおよその痛み取れ具合予測できます。
急性腰椎捻挫(ギックリ腰)の痛みは、炎症と筋肉の過緊張による影響が非常に大きく、炎症に関しては、ほぼ間違い無く、私の施術中に大幅に改善します。
筋肉の過緊張は、施術中に手に感じる抵抗感で私には改善が予想できます。
ですから、急性腰椎捻挫は、施術による大幅な改善が望みやすく、そして、それを私は施術中にある程度予想できるのです。
しかし、患者さんにとっては、痛みが完全取れるまで、改善の状況を自覚しにくい傾向があります。
それでも、施術による効果で脳の運動状況への許容が大きくなり、痛みが減っていれば、患者さんにとっては無意識であっても動きの幅や速度は大きくなります。
そこで、私は、施術中と施術後に改善しているであろう手応えを感じると患者さんに動作速度、特に歩くスピードへの注意を促させて頂きます。
患者さんの意識としては、改善が理解できていなくても痛みが減り、運動機能(筋肉の働き内容)も大きく改善されていれば、患者さん意識とは、関係なく、動く速度が上がります。
おまけに、痛みが和らいでいれば、痛みが強い時には行わなかった動作さえ無意識で行ってしまいます。
これらの事情からいえば、痛みが減ったことを自覚しない、させない方が良いように思えますが、そうではありません。
改善しているからこその無意識の動作速度UPが起ってはいるのですが、そこには、完全に運動機能の全てが正常化された訳ではないという事実があります。
そのことをしっかりと認識して頂き、慎重になって頂かなければ、速度を上げたことで大幅に大きくなった力学的運動負担を処理仕切れず、再発という事態を招く恐れがあります。
痛みの有る無しだけの基準で改善とその改善率を自覚しないでいると数倍に速くなった動作速度への明確な配慮ができません。
むしろ、しっかりと改善を自覚し、その改善が急激であること、全ての運動機能が完全に整った訳ではないことをしっかりと自覚して頂くことで、その状況下で動く速度が急激に数倍になることへの危険性を回避することができます。
先ほど、痛みの緩和率は、御本人には認識しづらいと申し上げましたが、痛みがあった動作の記憶と現状の同じ動作での痛みの度合いとを思い出しながら比較確認して頂ければ痛みの改善率を認識しやすくなります。
また、歩くという動きの速度基準を指標としても施術効果は認識しやすい傾向にあります。
それをもって、大きく改善したことを認識して頂くとともに現状の改善状態を大切にして頂く為の御配慮を意識して頂くことが、ギックリ腰の再発を防ぎ、2~3回の施術で終了する為の秘訣になります。
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