人が立つことへの特別な意識無く立っていられる理由と疲労や加齢により運動の質が劣化する理由

人が立っていられる理由と疲労や加齢による運動の質が劣化する理由

人が立っていられるのは、

意識を込めなくても、

日常の姿勢や慣れた運動状況を

維持できる機能があるからです。

その機能は、

複数の神経組織の集合場所である

脳と脊髄によって成り立っています。

脳や脊髄は、

筋肉の働き内容を管理しています。

脳と脊髄のような神経細胞の集合場所を

中枢神経系と言います。

「立った姿勢の維持」というだけの行為であれば、

意識に関係する脳の領域を働かせるこなく達成できます。

また、「物を掴む指の動き」などの

日常的に慣れた動作であれば、

脊髄の管理のみでも達成可能です。

このように人の動作は、

関わる中枢神経系の種類(領域)に応じ、

ある程度、その管理役割が決まっています。

また、その管理体制は、

一つの動作であっても、

・脳の意識領域による管理

・無意識の領域による管理

・脊髄での管理

といったように幾重にも重複した管理体制となっています。

通常、動作への管理体制は、

その運動内容が複雑化するほど

意識に近い中枢領域(上位中枢)の関与率が多くなります。

そして、

慣れた動作であるほど、

その動き全体の精度が高まり、

無意識で行えるようにもなります。

立つ、歩くなどの日常動作は、

その管理調整も効率化されており、

意識を殆ど使わずに滑らかな動きの表現が可能です。

その上更に、

立つ、歩くという行為と同時に

手で作業するなど、

他の動作を合わせて行うことも可能です。

このような複合動作を達成するには、

相当に高度な中枢神経系による

動作に対しての管理調整の能力が必要です。

ただし、

このような動作管理調整は、

普段は意識されていない中枢神経系の働きなのです。

従って、我々にはその内容が自覚できません。

人の動作の完成度を上げるには、

中枢神経系による、

運動中の身体に加わる力への分析

それに対する的確な指令内容の構築が必要です。

更に、

その指令内容の筋肉への伝達性能によっても

動作完成度は影響を受けています。

ところが、

普段の人の意識は、

日常動作の完成度には、注目していません。

ですから、

多少、歩く動作や立つ姿勢の完成度が

劣っていても気づくことが出来ないのです。

極端な運動障害が起きるか、

どこかに痛みがでない限り。

運動の質が劣化する理由

姿勢や動きの完成度が落ちると、

関節を中心に身体各所への力学的負担が増えたり、

転倒や捻挫などの危険性が高まります。

このような動作に対する管理調整の不備は、
疲労や加齢などによって日常的に起きています。

その状況が一定量を越して起きていると

痛みという運動感覚の異常に繋がるのです。

また、痛み以外でも、

動きの幅や動きの速度の低下、

筋肉の過緊張などの変化も

痛みという動作感覚異常に合わせて

起こっていることが多く、

高齢者の歩き方が遅いことや、

歩く時の膝や腰の痛みは、

その典型的な例だとも言えます。

高齢者でなくとも疲れているときは、

行動や作業が遅くなる傾向があります。

このような現象は、

衰えた現状の管理調整機能に合わせた

運動内容となるように運動量や速度、動作の精度が

自動的(無意識)に制限されていることを現しています。

運動の劣化と意識の関与

痛み原因となる運動精度の劣化は、

意識的に改善させることも

ある程度の範囲内であれば可能です。

それは、普段の慣れた動作においては、

あまり深く関わっていない

脳の意識領域による動作の調整機能を

無意識下での運動や姿勢の維持調整に

加えて働かせることで、

動作の管理調整に関わる神経の数を増やし、

衰えた無意識下の管理調整機能を補っているからです。

ただし、

脳の意識の領域は、

複雑で複数な事柄への関わりを

あまり得意とはしていません。

ですから、

慣れた動作の精度の向上や

姿勢を効率的に維持したりすること等

への意識の関与は、

できる限り単純な動作調整内容である方が

良い結果に繋がります。

複数のことを意識的に行おうとすると、

返って動作調整が上手く行かなくなり、

ロボットのような動きになります。

では実際に動作の質を上げるには、

どうすれば良いのでしょうか?

それは、別のブログで解説したいと思います。

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