脊柱管狭窄症で長く歩けない間欠性跛行が起きる理由

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今回の項目では、『5分しか歩けない』、『50mしか歩けない』『長く歩けない』などの間欠性跛行が起こる理由と脊柱管狭窄症との関係を神経の働きという視点から説明していきます。

背骨(脊柱)構造の解説

背骨は、頭蓋骨の下から骨盤の上まで続く身体の真ん中を支える支柱のような骨格です。(脊柱と呼ばれます)

脊柱は、椎骨と呼ばれる骨が24個連結されて形作られています。(頚椎7・胸椎12・腰椎5)

全ての椎骨には中央に大きな円形の穴(椎孔)が空いていて、脊柱という椎骨の連結によってその穴は、上下に長い筒状のスペースを造り出しています。

この筒状のスペースは脊柱管と呼ばれ、脳と連絡を取り合う神経の集まりである脊髄がその中に納められています。

椎骨の脊柱管を造り出している部位(椎孔)は、上下の連結状態を維持する為に靭帯と呼ばれる組織で繋ぎ止められています。(黄色靭帯、後縦靭帯)

脊柱管狭窄症を引き起こす脊柱の構造や機能に伴う理由

脊柱の構造特性と脊柱管狭窄症が起こる理由

脊柱管狭窄は、上下の椎骨をつなぎ止めている靭帯が厚みを増すことで起こります。(椎間板ヘルニアも一因なることがあります)

骨と骨とを繋ぎ止める組織である靭帯には、常に引き裂かれるような方向の力が加わっています。

この力の影響で、靭帯は、微細に傷付き、そして修復されています。

この繰り返しがカルシウムの沈着を招いたり、靭帯自体の肥厚を招きます。

ですが、靭帯の肥厚が直接脊髄を圧迫する事は少ないようです。

脊柱管はその中に膜(硬膜、軟膜)で包まれたスペースがあり、その中は液体で満たされています。

この液体は、時に脊髄を保護する役割を担い、時に脊髄に栄養提供をします。

この液体の流れが、靭帯の肥厚に伴う脊柱管スペースの狭小化で影響を受けた時、脊髄という神経の集合体の働きは鈍くなり、このことが症状として現れた状態が脊柱管狭窄症であると私は考えています。

腰痛や間欠性跛行などの脊柱管狭窄症の症状とその特長や傾向

代表的な症状としては、長く歩くことが出来なくなる間欠性跛行があり、その他にも腕(上肢)や脚(下肢)への神経痛、筋力低下、麻痺や頚肩部の痛み、腰痛といった症状を併発する事があります。

間欠性跛行とは、数分から十数分、または、50~100mほど歩くと脚が重くなり、もしくは、痛くなり、自分の意識に反して脚が前に出にくくなる症状を言います。

通常は、少しの間休息すると相当に症状が緩和されるという特長があります。

その最大の理由は、歩行運動中の身体に加わる力に関係する情報が上手く脳や脊髄に伝わらず、その対応としての筋肉への指令内容を創り出す作業に過大な行程が必要となり、その作業が短時間しか継続出来ないからだと私は考えています。

いわば、脳や脊髄の中での作業維持の問題です。

その問題の内容が過大な情報処理による疲労であるため、休息という脳内作業の減少による回復行程を取り入れると次の作業疲労を起こすまで、再び歩くことが出来るようになるのだと考えられます。

その他の特長として、脊柱管狭窄で現れる神経痛は、左右両側に現れることが多い傾向があります。

また、腰痛や首肩の痛みに関しても姿勢の影響で症状の強弱が相当に変化する傾向も診られます。(脊柱管スペースが広がるような姿勢を取ると症状は一時的に軽くなります)

通常は、このような症状的特長とMRIによる検査で脊柱管狭窄という診断が医師によってくだされます。(近年、増加しています)

脊柱管狭窄症と間欠性跛行への下間整骨院の考えや治療

脊柱管狭窄による間欠性跛行などの症状もASC他動的運動療法を用いれば、効果が現れることが少なくはありません。

ただし、著しい筋力低下や筋肉の萎縮がある症例や症状が出てから年月が長い症例、間欠性跛行の状況が数十メートルで現れるような症例に関しては手術を受けられる方が良いと思います。

そのような症状でも改善した例はありますが、脊柱管狭窄は、多くの場合、緩やかな進行性であり、毎年のように症状は強くなる傾向にあります。

手術をしても回復しないほどに脊髄にダメージが残ることも希にありますので症状に合わせた適切な医療を受けることを心がけましょう。

脊柱管狭窄の御相談は下間整骨院にお気軽にどうぞ。