慢性化した痛みの多くは、
炎症を基盤として創り出されています。
多くの人を悩ませている
慢性疼痛の主な要因は、
身体加わる力の情報の
取り扱い方の変異にあります。
その情報変異起こる切っ掛けの一つに
炎症という生体反応が有ります。
ここでは、多くの痛みの基盤となる
炎症についてのお話をしていきます。
炎症という生体反応について
炎症とは、
細胞を包んでいる膜(細胞膜)の
構成要素であるリン脂質が、
細胞が壊れたことを切っ掛けに
プラスタグランジンという物質に変化し、
この物質が引き金となって、
神経末端部や肥満細胞と言われる細胞から
二次的な炎症物質(炎症を強くする物質)が
分泌され、
血液の停滞や
痛みという感覚の形成
を招く生体反応のことを言います。
少し難しい説明でしたね。
もう少し簡素化します。
炎症によって痛みを感じたり
腫れが起こる原因と理由
組織が壊れて起こる腫れ
(血液や組織液の停滞)や
ズキズキした痛みの原因は、
炎症と言う体の働きにあります。
炎症に伴う痛みの本質的な原因は、
毛細血管での血液の停滞にあります。
痛みを感じさせる物質が
血液や組織液の停滞によって、
局所に多く留まているから痛むのです。
炎症物質と呼ばれるものの中には、
血液の流れに影響を与える物も
含まれています。
それゆえに、
一端、炎症が発生すると、
血液の停滞が徐々に大きくなり、
その影響で腫れがどんどん膨らみ、
その腫れの影響で組織が圧迫されて、
更なる液体循環の停滞を招きます。
これが、一度発生した炎症が
改善しにくくなる理由です。
炎症が及ぼす痛み感覚への作用
長引く炎症は、
炎症が起きている場所周辺から伝えられる
感覚情報に対しての脳での受け止め方
(感覚化)に変化を生じさせます。
痛みという感覚を理解するための
人の感覚の特長についての解説
全身に配置された神経の中でも、
身体の変化を伝える神経を
感覚神経と言います。
その神経が伝える情報を
感覚情報と言います。
その感覚情報は、
身体に起こる変化の種類によって
どのようなタイプの感覚になるかが
区別されています。
例えば、
目からの情報は視覚に、
耳からは聴覚、
皮膚への熱は、暖かさや熱さになります。
ところが、
感覚は、身体の変化の度合いや
受け止める側の脳の問題で、
時折、その法則を崩すことがあります。
その典型が痛みです。
炎症という身体の変化は、
炎症物質(発痛物質)が作り出されるという
痛みの直接的な要因を持っています。
ですから、炎症というものが
痛みの感覚情報となることは当然なのです。
このような状況下にあると、
本来は、痛みの情報源では無い
痛みという感覚に変わってしまいます。
患部にとって良くないような影響が大きい力
(組織が壊れそうな力が加わる)ほど、
その傾向は強くなります。
その期間が長引けば、
時には炎症が治まりつつあっても、
力の情報への受け取り側(脳)の扱いの変異や
過敏性によって、
炎症が強く有る場合と似た痛みを
動きに合わせて感じるようになります。
このような現象が、
炎症から取れにくい慢性疼痛へと移り変わる
要因の一つとなっています。
炎症は、長引かせずに、
できるだけ早急に的確な対応をしましょう。
炎症への的確な対応策
炎症は、ウィルス感染や免疫疾患などの
特異な病態を除けば、
安静にしていれば、治まっていきます。
炎症を抑えるための積極的な対応は、
急性期は、血行の促進と熱感の除去を
目的とした低温療法(アイシングなど)を
限度を越さない範囲で
医療機関の指導の下に行うことです。
亜急性期であれば、
温熱療法も効果的であることが多く、
加えて、患部への負荷の無い
緩やかな運動療法も効果的です。
急性期か亜急性期かの判断は、
疼きと熱感の有る無しを
一つの基準と私はしています。
また、亜急性期に血行促進を目的として、
温めるのか冷やすのかは、
色々と意見が分かれるところです。
私の場合、どちらの手段が
本人にとって心地好く感じるかで決めています。
温・冷どちらを用いる場合でも、
どれだけの時間、
どのような方法で行うのか等、
実際に行うことの詳細は、
医療機関の指導の下に行ってください。
捻挫など、関節組織に傷が有る場合は、
動かした時の痛みが消えるまで固定を施し、
慢性疼痛とならないように気をつけましょう。
下間整骨院での炎症の痛みへの治療
実は、当院では、よほどの事がない限り、
低温療法も温熱療法も重視しません。
行うこともありますが、
基本的には必要有りません。
なぜなら、
下間整骨院で行うASC他動的運動療法は、
運動という行為が本来持っている
炎症を改善させる働きを導くことが出来ます。
したがって、よほど強い炎症でない限り
ASC他動的運動療法によって改善します。
昨今、発見された、
役に立たない幼弱血管(新生血管)の増殖と
神経末端の複数分岐による
痛覚過敏性にも効果的です。
炎症についての疑問や質問も
下間整骨院にお問い合わせください。
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