指や手首の使い方に問題があって起きる腱鞘炎
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筋肉とその一部である腱の構造の説明
特殊な場合を除き、筋肉は、一方の端が付いている骨から一つ以上の関節をまたいで、もう一方の端が違う骨に付いています。
筋肉の骨に付いている部分を腱と呼び、紐状の細長いものや膜状の平らなもの、短くてしっかりしたものなど、多様な形をしています。
参考までに筋肉の腱以外の部分を筋腹(キンプク)と言います。
腱鞘炎が起きる原因
手首周辺にある腱は、手首の関節や指の関節を動かす為の筋肉の端で、その殆どが紐状の形をした腱です。
筋肉(筋腹)が伸び縮みすると、その端である腱も引っ張られて動きます。
腱が筋腹の動きの影響で動いた時、腱の下にある骨との間で摩擦され、その摩擦力が強い、または、摩擦される回数が多いと腱やそれを包む腱鞘が傷つきます。
腱鞘とは、腱の動き伴う骨との摩擦から腱を守る為に腱を包むように着いている組織です。
腱鞘という保護組織が腱を包んでいても物を握ったり、掴む動作の中で、手首や指の関節の使用角度が悪いと、腱と腱鞘は骨の隆起部分で擦れて傷付き、炎症を起こします。
この状況が腱鞘炎です。(腱鞘炎の痛みは、炎症が主原因です)
腱鞘炎を起こす場所と種類
手首や指の近辺には、腱鞘炎を起こしやすい場所があります。
最もよく観られるのが、手首の親指側です。
その次に多いのは、おそらく、手首の甲の少し前腕(肘から手首までの間)寄りに起こる腱鞘炎では無いでしょうか。
その他にも指の曲げ伸ばしが引っ掛かりを示すバネ指(弾発指)や手の平周辺での腱膜炎や指を曲げるための筋肉の腱の炎症なども腱鞘炎一群とする考え方もあります。
指や手の痛みに関してはコチラも御覧ください。
手首の腱鞘炎について
ここからは、先ほど挙げた手首2種類の腱鞘炎が起こる原因について書いていきます。
手首の親指側の腱鞘炎が起きる理由
腱鞘炎は、骨と腱(及び腱鞘)との摩耗が引き金となって起こる炎症です。
ただし、手首周辺での骨と腱の摩耗は、手首や指を動かすときには常に起こっています。
ですが、誰もが腱鞘炎になるわけでは有りませんし、同一人物であっても何時も腱鞘炎になるわけでは有りません。
つまり、腱鞘炎は、指や手を使うことが原因となりますが、指や手を使ったとしても、腱鞘炎になるかどうかは、使い方としての何らかの条件が関わっているということになります。
使い方の条件として、最も大きな影響が有るのは、おそらく、使用時間や使用回数でしょう。
こればかりは、仕事量の調整や休息の入れ方を御本人が判断するしか有りません。
それに加えて、指や手首の関節の使用形態が非常に重要な腱鞘炎を起こすかどうかの要因となります。
この節で取り上げている親指側の手首の腱鞘炎は、物を握った作業の時の手首の角度が小指側に偏っている(尺屈)と起こりやすい腱鞘炎です。
手首の甲側で腱鞘炎を起こす理由
正常な物を握る時の手首の角度は、握った拳を親指側から見ての中心が、前腕の長さを延長させた先に位置している状態で、かつ、拳を上から見たときに、中指の手の甲側にある骨が前腕の方向と揃っている状態です。
このような手首の角度が保てず、拳が手の平方向に強く曲がっている使い方をすれば、手首の甲側で腱鞘炎を起こしやすくなります。
腱鞘炎への対策
腱鞘炎は、原因動作さえ修正すれば、そこで起きている炎症は、比較的取れやすい傾向にあります。
先に記載した物を握る動作の時の正しい手首の使い方を参考にして頂ければ、御自身で腱鞘炎を治すことも難しいことでは無いと思います。
腱鞘炎の痛みへの対策や治療は、下間整骨院では、ASC他動的運動療法と私が得意とする動作指導を併用して行っています。
腱鞘炎に関する治療は下間整骨院に御越しください。
素早く的確に治していきます。