痛くて歩けない変形性股関節症の痛みの原因

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股関節は、本来、痛みを感じにくい関節です。

その関節が痛むということは、強い炎症が起きている可能性もあり、軽んじてはいけない痛みの一つです。

股関節の構造特性

股関節は、太ももの骨(大腿骨)と骨盤の連結でできています。

この関節は、立った姿勢で何かをする時、関節面に対して平行方向に捻れる動き(力)が常に加わっています。

関節面は、地面に対して垂直の角度よりも関節面上方が外側に傾く方向に斜めに傾斜した角度になっています。

関節を構成する骨の表面(関節面)は、非常に滑らかです。

従って、関節が動く時(関節面の軟骨と軟骨が擦れ合う時)の摩擦抵抗力は、濡れた氷同士が擦れ合う摩擦力の10分の1程度と極めて小さな抵抗です。

この非常に少ない摩擦抵抗力によって、動きに伴う関節軟骨の磨耗は、通常はごくわずかな範囲で済んでいます。

また、例え動くことによって関節軟骨の表面が磨耗したとしても、磨耗の範囲が再生の範囲を上回らなければ、関節面は正常な状態を保つことが出来ます。

股関節が変形していく関節軟骨が擦り減る理由と過程

上記の様な滑らかな動きの状況が崩れると軟骨の磨耗が進んだり、磨耗した軟骨が原因で炎症が広がったりします。

この様な変化がレントゲン写真で確認できるほど進んだ場合、【変形性股関節症】という病名がつけられます。

変形の一番の要因となる関節軟骨の摩耗には、関節周辺の筋肉の働き内容が深い関わりをもっています。

筋肉の働き内容は、脳が下した指令に従って決められています。

脳は、関節周辺の筋肉の働き内容を決める時、人が動いている時の関節に加わる力の強さや方向、力が加わり続ける時間などを参考にしています。

つまり、人の動きの中での関節に加わる力の要素によって、その関節周辺の筋肉の働き内容は決められています

関節の変形を招く、行き過ぎた関節軟骨の摩耗は、筋肉の働き内容によって左右され、その筋肉の働き内容は、人が動く時の動き方に影響を受けています。

特に、股関節が外れそうな方向の力を受けつづけると、それが例え小さな力であっても、”脳が『股関節が外れそうだ』と判断すれば”、関節面がしっかりと密着する方向の力が強くなるように股関節周辺の筋肉の働き内容が調整されます。

この調整は、関節面同士の摩擦抵抗力を大きくし、その状態が長く続けば、関節軟骨が通常以上の割合で擦り減っていきます。

これが変形の原理です。

人の動作に対する脳の判断と軟骨の擦り減り割合との関係

人の動作の中で、脳に『股関節が外れそうだ』と感じさせやすい日常に観られやすい動きとしては、深くしゃがみ込む姿勢、極端なO脚歩行、膝や脚の痛みに伴う跛行(びっこを引く)、ヒールの高い靴を履いた歩行、臼蓋形成不全がある身体条件での労働などが挙げられます。

変形性股関節症の痛み原因と特長

痛みの原因は殆どの場合、関節内に溜まった炎症物質です。

これは、膝の変形の痛みと似た病理ですが、変形性股関節症の痛みは、炎症が痛みの主原因である症例が多く診られます。

対して、膝の痛みは、炎症が主原因である場合と膝に加わる力に伴う痛みが主原因である場合とがります。

本来、股関節は、動く時の痛みが出にくい関節です。

その股関節が強く痛む場合、炎症が強く起きていると考えられます。

ですから、股関節に痛みを感じれば、出来る限り早い対応が必要です。

股関節の変形や臼蓋形成不全も奈良県香芝市の下間整骨院に御相談ください。